- 「The Worm of Urakhu」
- 「Cement Surroundings」
- 『The Transition of Titus Crow』
- 『地を穿つ魔』
- 「盗まれた眼」
- 「狂気の地底回廊」
【住処】
- 現在:地球の核心部
- 過去:グハーン(伝説の都市、アフリカ)
本報告は、クトーニアンの神とされ、地球の核心部に棲む、途方もない大きさを持つ異形の存在についての調査記録である。
形態的特徴として、体長1.6km以上の巨大なクトーニアン型の姿を持ち、多数の目を備える。ゴムのような肉体を持ち、厚い皮膚からは毒性および腐食性の化学物質を分泌し、岩石を容易に溶かす酸性の煙を放出する。大いなるクトゥルフとその星の落とし子の関係に似た、クトーニアン種における特異個体とされる。
『グハーン断章』によれば、かつて旧き神による封印のため、伝説の都市グハーン(アフリカに存在したとされる)に眷属と共に幽閉されていた。街路には旧き印による結界が張られ、魔術的拘束が維持されていたが、数千年の間に徐々に弱体化し、ついには効力を失った。解放の時期については、10世紀頃とする説と哺乳類出現以前とする説が存在する。
現在は地球の核に棲息しているとされ、地表への出現は稀少である。1906年のサンフランシスコ地震、1751年のコンセプシオン地震、869年の貞観地震などの重大な地震現象は、この存在の移動による副次的影響か意図的な行動の結果である可能性が指摘されている。配下のクトーニアンは惑星のマグマを利用して地下道や巣を作り、時に地表近くにも現れる。
歴史的に広範な崇拝の対象となっており、ハイボリア時代にはスティギアの神官がシャダム=エルの名で崇拝し、後のエジプトではヘビ神アポピスの神話の起源となったとされる。イギリスの先史時代の巨石文化の担い手や、北米太平洋岸の特に退廃的な呪術師による崇拝も記録されている。現代では、モンゴルのジドハウアスと、グハーン近郊の一部アフリカ部族のみが崇拝を続けているとされる。
【関連魔導書】
- 『グハーン断章』(サー・エイマリー・ウェンディ=スミス著、1931年)
【相関】
- クトーニアン(統率する種族)
- 旧き神(封印された敵対者)
- クトゥルフ(眷属の一つという説あり)
【能力】
- 地震を起こす…魔力によって地震を発生させる。
- 腐食と毒性…人間に影響のある有毒なガスを放ち、また衣服や装飾品も腐る。
- 地獄の穴…地下から触手を伸ばして地上に穴を作る。
- 遠隔操作…人間や他の種族をテレパシーを飛ばして支配する。