登場作品
概要
関連/他
『往くものの儀式』(ディアタブ著)
【住処】
- 特定の住処は持たず、定められた時にのみ出現
本報告は、死と忘却をもたらし、生命の超越または変容と結びついた異形の存在についての調査記録である。
形態的特徴として、濃いもやや霧に包まれた姿で出現し、手を差し伸べる姿で描写される。物質化する際、その霧状の霊体は周囲の生命に働きかけ、命を押しつぶすような圧迫感と死の忘却への重圧を及ぼす。
『往くものの儀式』によれば、この存在は時間の大部分において不在であり、隠れた時間で作られた未知の宇宙的予定表に従ってのみ出現するという。出現時は一箇所に留まり、死を求める者を待つ。その霧中に引き寄せられた者には死の光景を幻視させ、絶望の中で死の受容を迫る。
信奉者たちにとってはこの生から解放してくれる宿命や死の体現者であり、他者にとっては現世を超越して別の生へと至る入り口とされる。また地球外の文献によれば、クトゥルフ神話の神々にも忘却をもたらし、それらの存在を人知を超えた方法で「変化」または「再生」させる力を持つとされる。
一部の魔術師たちは死の扉を「乗り越える」または「挑戦する」手段としてサイサロスの招来を試みたが、そのような試みを行った者たちの消息は途絶えている。