
【完全版】ゴル=ゴロス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Gol-goroth
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★☆☆☆☆
本報告は、ヒキガエルの姿で現れ、東欧の地下神殿に幽閉され、古くから血の儀式と結びついた異形の存在についての調査記録である。
形態的特徴として、ヒキガエルに似た姿で知られているが、実際には見る者の心の最も暗い部分から引き出された恐怖の形を取るとされる。石柱やオベリスクの上に座す姿でも目撃されている。
『無名祭祀書』によれば、ハンガリーかルーマニアのどこかにある地下神殿兼牢獄に幽閉されている。かつて月が欠け始める時期に行われた祭儀では、多くの若者が生贄として捧げられ、時にゴル=ゴロスが石柱の頂に降臨して儀式を見守り、選ばれた者に恩恵を与えたという。
16世紀には、ハプスブルグ家への反発を招きながらも、この存在を祀る祠や彫像の多くが破壊された。しかし一部の田舎の集落では密かな崇拝が続けられ、東欧やアジアの辺境には無傷の祠が残存しているとの噂が絶えない。
ヒキガエルの外見と地下での活動から、ツァトゥグァとの関連が指摘されている。両者を同一視する説や血縁関係を指摘する説があるが、具体的な関係性は不明である。ゴル=ゴロスのヒキガエルの姿はツァトゥグァを模した偽装であり、真の恐怖の本質を隠しているという説もある。
現在、この存在を封じる古の封印は弱まりつつあり、短時間であれば実体を持って現れることが可能とされる。封印が更に弱められれば行動範囲が広がる可能性があるが、大規模な破壊を望まず、信者からの祈りで満足しているとされる。
元々ヨーロッパとアジアに限られていた信仰は、移民と共に新世界にも伝播した可能性がある。ユカタン半島と南アメリカでの考古学的発見は、先住民の間にも信仰が存在した可能性を示唆している。地下の神殿には数多くの祠が残されており、旧世界の人里離れた地域には背の高い石柱やオベリスクの形で少数が現存しているとされる。
【住処】
- 現在:ハンガリーかルーマニアの地下神殿兼牢獄
- 過去:ヨーロッパとアジアの旧世界各地(祠や石柱の存在)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
250 | 325 | 225 | 80 |
POW | HP | MP | DB |
150 | 55 | 30 | +5D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
6 | 8 | 1D4/2D8 |
行動
- 攻撃回数:4回(近接)または1回(飛びかかる)
- 近接戦闘:50%/2D6+2
- つかむ:1人の対象をつかむ。次のラウンドで噛みついて3D6+4のダメージを与える。もしくは、投げ出して2D6のダメージを与える。抜け出すにはSTRかDEXでクリティカル成功する必要がある。
- 飛びかかる:70%/5D6+6 …最大20m飛び上がって、回避に失敗した範囲内の対象を押しつぶす。
装甲
- なし。
- すべての武器のダメージをが最小になる。
- 魔力を付与した武器はダメージを与えるが貫通はしない。
- 寒さの影響を受けない。
- HPが0になれば溶けて水たまりとなる。その後1D100年後に復活する。
魔術
- 呪文:「肉怪物に命を吹き込む」・「苦痛の障壁」・「農作物を枯らす/農作物に祝福を与える」・「稲妻を呼ぶ」・「食屍鬼との接触」・「無形の落とし子との接触」・「激怒」・「うじ虫」・その他キーパーの任意。
能力
- だます:ゴル=ゴロスに影響された者は、その姿が自身のトラウマを顕現したような姿に見える。
- 石に力を授ける:石に魔力を溜め込むことができ、月がかけ始める時に、その魔力を別のものに移すことができる。
恩恵
- ヒキガエル形態:ヒキガエルのような姿に変身できるようになる。
- ほかの者をだます:他の人間を魅了したりだます能力が身につく。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「バル=サゴスの神々」では
- 名前だけの登場で詳細不明。
シナリオ導入例
1:都市伝説追跡型
- 移民コミュニティで囁かれる「石の蛙神様」の噂を調査
- 若者の失踪事件が満月前の特定時期に集中している
- アパートの地下室で密かに行われる儀式の目撃情報
2:信者潜入型
- オカルト愛好会に紛れ込んだ危険なカルト集団の発見
- 表向きは歴史研究会だが、実際は古代の儀式を再現している
- メンバーが徐々に人格変化を起こし、ヒキガエルへの異常な執着を示す

穏便な蛙の邪神なので、「悪」の存在として登場させるのが難しいかもしれません。危険視するなら、関連のあるツァトゥグアとかも一緒に登場させたりして退治する理由を用意したいとこです。
演出のヒント
1:恐怖の個人化演出
- 変容する外見:探索者ごとに最も嫌悪する要素(虫、腐敗、機械など)をヒキガエルに付加
- 個別幻覚:同じ場面でも「あなたにだけその姿が○○に見える」と個人描写
- 過去の記憶:探索者の背景設定から引き出したトラウマを外見に反映させる
2:地下神殿の圧迫感演出
- 段階的狭小化:通路の天井高を「3m→2m→かがまないと進めない」と変化
- 湿気の質感:「石壁から滲む水滴が異様に温かい」「空気が粘つく」
- 反響の異常:足音が「全く響かない」または「10秒遅れて返ってくる」
3:時間感覚の歪み演出
- 時計の異常:デジタル時計の数字が逆回転、アナログ針が震える
- 体感時間操作:「一瞬のはずが汗だくになっている」「数時間のつもりが5分」
- 満月効果:月が欠け始めると「時が止まったような静寂」が神殿を包む



実際のゴル=ゴロスの大きさは決まってますが、能力を活かすために環境の描写を工夫したら面白くなりそうです。広い空間があったり、人が入れないほど狭い空間があったり…。探索者は一見するとゴル=ゴロスが不定形な存在なのかと錯覚して、幻覚をより信じ込んでしまうかもっ。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:mcf様「Gol-Goroth by N-Y-O on DeviantArt」


- 素材:烏の詐偽小屋様「クトゥルフ神話TRPG 神話的生物立ち絵捌 SPLL:E194274 – 烏の詐偽小屋 – BOOTH」
セット価格:500円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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ツァトゥグァ 血縁または同一存在説 |
【関連魔導書】
- 『無名祭祀書』
登場作品
- 「バル=サゴスの神々」 (ロバート・E・ハワード)