「バル=サゴスの神々 The Gods of Bal-Sagoth」(ロバート・E・ハワード)
【住処】
- 現在:ハンガリーかルーマニアの地下神殿兼牢獄
- 過去:ヨーロッパとアジアの旧世界各地(祠や石柱の存在)
本報告は、ヒキガエルの姿で現れ、東欧の地下神殿に幽閉され、古くから血の儀式と結びついた異形の存在についての調査記録である。
形態的特徴として、ヒキガエルに似た姿で知られているが、実際には見る者の心の最も暗い部分から引き出された恐怖の形を取るとされる。石柱やオベリスクの上に座す姿でも目撃されている。
『無名祭祀書』によれば、ハンガリーかルーマニアのどこかにある地下神殿兼牢獄に幽閉されている。かつて月が欠け始める時期に行われた祭儀では、多くの若者が生贄として捧げられ、時にゴル=ゴロスが石柱の頂に降臨して儀式を見守り、選ばれた者に恩恵を与えたという。
16世紀には、ハプスブルグ家への反発を招きながらも、この存在を祀る祠や彫像の多くが破壊された。しかし一部の田舎の集落では密かな崇拝が続けられ、東欧やアジアの辺境には無傷の祠が残存しているとの噂が絶えない。
ヒキガエルの外見と地下での活動から、ツァトゥグァとの関連が指摘されている。両者を同一視する説や血縁関係を指摘する説があるが、具体的な関係性は不明である。ゴル=ゴロスのヒキガエルの姿はツァトゥグァを模した偽装であり、真の恐怖の本質を隠しているという説もある。
現在、この存在を封じる古の封印は弱まりつつあり、短時間であれば実体を持って現れることが可能とされる。封印が更に弱められれば行動範囲が広がる可能性があるが、大規模な破壊を望まず、信者からの祈りで満足しているとされる。
元々ヨーロッパとアジアに限られていた信仰は、移民と共に新世界にも伝播した可能性がある。ユカタン半島と南アメリカでの考古学的発見は、先住民の間にも信仰が存在した可能性を示唆している。地下の神殿には数多くの祠が残されており、旧世界の人里離れた地域には背の高い石柱やオベリスクの形で少数が現存しているとされる。
【関連魔導書】
- 『無名祭祀書』
【相関】
- 関連:ツァトゥグァ(血縁または同一存在説)
- 対立:ハプスブルグ家(16世紀、祠の破壊)
- 崇拝:東欧の田舎の集落、新世界への移住者、ユカタン半島と南アメリカの先住民(可能性)
- 拘束:旧き封印(弱化傾向)
【能力】
- だます…ゴル=ゴロスに影響された者は、その姿が自身のトラウマを顕現したような姿に見える。
- 石に力を授ける…石に魔力を溜め込むことができ、月がかけ始める時に、その魔力を別のものに移すことができる。
【恩恵】
- ヒキガエル形態…ヒキガエルのような姿に変身できるようになる。
- ほかの者をだます…他の人間を魅了したりだます能力が身につく。