
【完全版】ガタノソア│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Ghatanothoa
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★★☆
本報告は、その姿を直視した者を石化させるという特異な力を持つ、ムーの地下に封じ込められた存在についての調査記録である。
形態的特徴として、触腕と長い鼻、蛸の眼を持ち、皺に覆われた無定形の巨体を有する。その姿は人知を超えて異質かつ恐ろしく、「まともではない」とされ、直視した者は文字通り石化するという。この石化は像や正確な描写によっても引き起こされる可能性があるとされるが、霊的な印象や幻覚では発生しないと考えられている。特に注目すべき点として、石化した者の脳は半永久的に生き続けるという残酷な特徴が報告されている。この特異な力は人類の集合的記憶に深く刻まれ、ギリシャ神話のメデューサや、大プリニウスの『博物誌』に記されたバシリスクなどの伝承の起源となった可能性が指摘されている。
この存在は元々ユゴスに棲んでいたが、その後地球へと移され、ムーのヤディス=ゴー山(古代の火山)に封じ込められた。この移送と幽閉の実行者については、ミ=ゴ説、「ユゴスの落とし子」説、旧きもの説など、複数の説が存在する。特に旧きものについては、グレート・オールド・ワンを退けるほどの強力な旧き魔術を使用した可能性が示唆されている。
地球到来後、ガタノソアは新たな崇拝者を引き寄せた。ロイガーとの親密な関係が指摘され、蛇人間の一部はイグへの信仰を捨ててガタノソアを崇拝し、そのエネルギーの利用を試みた。フォン・ユンツによれば、黒き母の大司祭トヨグは防御の呪文を用いてガタノソアに挑もうとしたが、カルティストの策略により偽の巻物と取り替えられ失敗に終わった。その後、ガタノソアのカルトは強大な力を得て、ムーの他の神々の寺院を閉鎖するまでに至ったという。
ムーの沈没後、その崇拝は衰退したものの、現在も封印された場所で眠りながら、不規則な周波数で心霊的影響力を放ち続けているとされる。クトゥルフと同様に、その夢は人類に強い影響を及ぼすとされる。『コステルヌルスの黒の書』と『無限の配分』では、クトゥルフの最初の落とし子であり、後に地球へ「引き寄せられた」という説が示されている。現代においても、特に太平洋地域では崇拝が継続しており、1970年のペルー沖地震などの天災をガタノソアの力の発現と見なし、その解放の時を待ち望む信者が存在するという。
【住処】
- 現在:ヤディス=ゴー山の地底(沈没したムー大陸)
- 過去:ユゴス(原初の住処)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
450 | 400 | 700 | 40 |
POW | HP | MP | DB |
175 | 110 | 35 | +13D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
14 | 6 | 1D10/1D100 |
行動
- 攻撃回数:1D4回(近接戦闘)・1回(押しつぶし)
- 近接戦闘:80%/4D6
- つかむ:対象を掴んで押しつぶす。毎ラウンド7D6のダメージを与える。抜け出すにはSTRかDEXでクリティカル成功する必要がある。触手を切断する場合は、6ポイント以上のダメージを与える必要がある。
装甲
- 10ポイント
- 毎ラウンドHPが10回復する。
- HPが0になれば崩壊して粒子となり散っていく。この塵を吸った対象がCONロールに失敗すると、1D4ラウンドの間1D6のダメージを受ける。その後10D100年後に復活する。
魔術
- 呪文:他のグレート・オールド・ワンやクトゥルフの落とし子に関する召喚/従属と接触呪文。その他キーパーの任意。
能力
- ガタノソアの呪い:ガタノソアの本体、もしくは作られたものでも、見たものは呪いにかかり体が石化する、その際皮膚の内側は生きている
- 幻視によるお告げを送る:距離を問わず、幻視や夢でテレパシーを送り、生贄を探す
恩恵
- 幻視による洞察:ガタノソアが体験したことを恩恵を受けたものに見せる
- 死者の目:石化した人間の視界を自身に共有することができる
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「永劫より」では
- ガタノソアを目視したものは石化の呪いにかかる
- 1878年の島が浮上して、石化したミイラのような人間を船の乗組員が発見した
- キャボット博物館でミイラとして展示されながらも意識を保持し続け、世界有数のミイラ展示の目玉として数十年間を耐えていた
- 1931年にそのミイラが古代ムーの神官だと判明した
- 1932年に身体の変質を開始して覚醒の兆しを見せる
- 自分を盗もうとした侵入者たちを超常的な力で殺害し、一人を恐怖で悶死させ、もう一人を石化させる
- 解剖時に完全な生存状態であることを判明する
- 外部の石化は仮死状態の偽装であり、内臓と脳が脈打って生きていることを明かした
- 秘密を知った関係者を数か月かけて次々と不審死させる

数百年前の人間が生きているわけないという先入観がある中、解剖したら脳は健康に生きているという恐怖。確認した側もですが、動けないまま脳だけ生きている状態を想像すると発狂しそうになります。
シナリオ導入例
1:悪夢感染拡散型
- 太平洋沿岸地域で同一の悪夢を見る住民が激増
- 夢の中でガタノソアの姿を見た者が現実で石化
- 精神病院に石化患者が続々と搬送される
2:太平洋地震調査型
- ペルー沖地震などの天災調査で海底異常を発見
- ヤディス=ゴー山で異常を感知する
- 調査船の乗組員が原因不明の石化症状を発症

親しい人が呪われてしまい、その呪いから解放させるために…みたいな探索者の行動理由を作ってあげると展開が自然になるかもしれません。
演出のヒント
1:直視による石化の絶対的恐怖演出
- 視線の危険性:うっかり見てしまう瞬間の緊張感と一瞬の油断が命取りになる恐怖
- 段階的石化進行:足先から徐々に石に変わっていく過程の絶望的な描写
- 回避行動の困難:戦闘や逃走時に視線を逸らし続ける物理的・心理的困難
- 仲間の石化目撃:目の前で同行者が石像に変わる衝撃と無力感
2:石化者の意識保持による残酷性演出
- 生きた石像の恐怖:石化しても意識があることを示唆する瞬きや涙の描写
- 助けを求める視線:石化した仲間の目が必死に何かを訴えかける無言の叫び
- 半永久的絶望:救済の見込みがない永遠の苦痛という究極の残酷さ
- コミュニケーション不能:意識があるのに何も伝えられない孤立感



姿を見ただけで石化するという、言わばチキンレースのようなホラー。ゲーム感覚ではなく命がけとなると、探索者のスリルも計り知れないでしょう!。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:boscopenciller様「Ghatanothoa by boscopenciller on DeviantArt」


- 素材:9の隠れ家様「神話生物素材 ガタノソア SPLL:E193889 – 9の隠れ家 – BOOTH」
単品価格:200円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
【関連魔導書】
- 『無名祭祀書』(フォン・ユンツト)
- 『コステルヌルスの黒の書』
- 『無限の配分』
- 『ヴァチカン写本』
- 『古代ルーンの伝説』
- 『ポナペ教典』