- 「The Thing in the Pit」(カーター)
- 『House of the Toad』(ティアニー)
- 「永劫より」(ヒールド)
- 「ロイガーの復活」(C.ウィルスン)
- 「奈落の底のもの」
- 「賢者の石」
- The Sussex Manuscript(ペルト)
【住処】
- 現在:ヤディス=ゴー山の地底(沈没したムー大陸)
- 過去:ユゴス(原初の住処)
本報告は、その姿を直視した者を石化させるという特異な力を持つ、ムーの地下に封じ込められた存在についての調査記録である。
形態的特徴として、触腕と長い鼻、蛸の眼を持ち、皺に覆われた無定形の巨体を有する。その姿は人知を超えて異質かつ恐ろしく、「まともではない」とされ、直視した者は文字通り石化するという。この石化は像や正確な描写によっても引き起こされる可能性があるとされるが、霊的な印象や幻覚では発生しないと考えられている。特に注目すべき点として、石化した者の脳は半永久的に生き続けるという残酷な特徴が報告されている。この特異な力は人類の集合的記憶に深く刻まれ、ギリシャ神話のメデューサや、大プリニウスの『博物誌』に記されたバシリスクなどの伝承の起源となった可能性が指摘されている。
この存在は元々ユゴスに棲んでいたが、その後地球へと移され、ムーのヤディス=ゴー山(古代の火山)に封じ込められた。この移送と幽閉の実行者については、ミ=ゴ説、「ユゴスの落とし子」説、旧きもの説など、複数の説が存在する。特に旧きものについては、グレート・オールド・ワンを退けるほどの強力な旧き魔術を使用した可能性が示唆されている。
地球到来後、ガタノソアは新たな崇拝者を引き寄せた。ロイガーとの親密な関係が指摘され、蛇人間の一部はイグへの信仰を捨ててガタノソアを崇拝し、そのエネルギーの利用を試みた。フォン・ユンツによれば、黒き母の大司祭トヨグは防御の呪文を用いてガタノソアに挑もうとしたが、カルティストの策略により偽の巻物と取り替えられ失敗に終わった。その後、ガタノソアのカルトは強大な力を得て、ムーの他の神々の寺院を閉鎖するまでに至ったという。
ムーの沈没後、その崇拝は衰退したものの、現在も封印された場所で眠りながら、不規則な周波数で心霊的影響力を放ち続けているとされる。クトゥルフと同様に、その夢は人類に強い影響を及ぼすとされる。『コステルヌルスの黒の書』と『無限の配分』では、クトゥルフの最初の落とし子であり、後に地球へ「引き寄せられた」という説が示されている。現代においても、特に太平洋地域では崇拝が継続しており、1970年のペルー沖地震などの天災をガタノソアの力の発現と見なし、その解放の時を待ち望む信者が存在するという。
【関連魔導書】
- 『無名祭祀書』(フォン・ユンツト)
- 『コステルヌルスの黒の書』
- 『無限の配分』
- 『ヴァチカン写本』
- 『古代ルーンの伝説』
- 『ポナペ教典』
【相関】
- 血縁:クトゥルフとイダ=ヤー(両親)、ユトグタ、ゾス=オムモグ(兄弟)
- 従属:ロイガー族(従者)
- 対立:トヨグ(シュブ=ニグラスの大司祭)、ミ=ゴまたはユゴスの落とし子(幽閉者)