【登場作品】
- 「陳列室の恐怖」 (カーター)
- 「ウボ=サスラ」 (C.A.スミス)
- 「暗黒の儀式」 (ラヴクラフト&ダーレス)
- 『地を穿つ魔』 (ラムレイ)
- 「深淵への降下」
- 「The Snout in the Alcove」 (マイヤース)
- 「The Unbegotten Source」 (カーター)
【住処】
- 現在:地下洞窟、イカー、またはヴーアミタドレス山の地下(諸説あり)
- 過去:地球初期の蒸気を発する沼
【概要】
本報告は、生命の源「ウッボ=サトゥラ」としても知られるウボ=サスラについての調査記録である。
ウボ=サスラは、重い泥のような粘性のゼリー状の液体で構成された、知性を持たない原始的な存在である。形態的特徴として、めまいがするほど多数の付属肢、臓器、手足を自在に生成できるが、これらは人類の認識からすれば無秩序で目的のないものに見える。その姿は巨大な水たまりのようであり、構成物質がさざ波立ち、移動のための波動を生み出す。
起源については複数の説が存在する。一説では、旧き神によって打ち倒される以前のオールド・ワン、偉大なるクトゥルフとその血族がゾスから地球に持ち込んだとされる。また、古のものによる生体工学実験の初期産物であるとする説や、アザトースによって生み出された、もしくは持ち込まれたとする説も存在する。さらに興味深い説として、旧き神が創造した奴隷であり、後に造物主に反逆し、盗んだ知識で自身と地球を現次元に移したとする伝承も存在する。
その本質的な機能として、ウボ=サスラは常にアメーバのような生命体を産出し続けている。これらは「ウボ=サスラの雛」と呼ばれ、親と同様の行動を示すものの、原始的な捕食者としての性質しか持たない。この特性は地球上の生命の起源に関わっているとされ、特にショゴスや人類の祖先の誕生に重要な役割を果たした可能性が指摘されている。一部の伝承では、全ての生命は最終的にウボ=サスラのもとに回帰するとされる。
所在については諸説が並立している。地球の地下洞窟(ンカイやクン=ヤンを経由)、イカー(ハイパーボリアの失われたヴーアミタドレス山付近)、あるいはヴーアミタドレス山の地下という説がある。共通する重要な要素として、ウボ=サスラは「生命の石板」(旧き鍵)の守護者とされる。この石板には神々の秘密を含む「偉大なる知識」が刻まれているとされるが、その正確な内容や形状については詳細な記録が存在しない。
存在間の関係性について、特筆すべきはアブホースとの関連である。両者は形態的特徴で類似点を持つものの、アブホースが感覚と知性を有するのに対し、ウボ=サスラは原初の段階にとどまる自我なき存在とされる。ミスカトニック大学のヒンクリー・マーティンズ教授は、これらが同一の存在の異なる文化的解釈である可能性を指摘している。