イブ=ツトゥル

イブ=ツトゥル

YIBB-TSTLL

グレート・オールド・ワン
登場作品
概要
関連/他
  • 「Ulthar and Beyond」(ハーバー)
  • 「大いなる帰還」(ラムレイ)
  • 「黒の召喚者」(ラムレイ)
  • 「The Horror at Oakdeene」(ラムレイ)
  • 「続・黒の召喚者」

【住処】

  • 現在:ドリームランド(クレドの密林周辺)
  • 過去:宇宙の外側にある混沌の領域

本報告は、全知の暗黒神「光なき無窮の深淵に潜むもの」として知られるイブ=ツトゥルについての調査記録である。

イブ=ツトゥルは、その本質について研究者間で大きな議論を呼んでいる存在である。グレート・オールド・ワン、外なる神、あるいは寄生的存在など、その分類は研究者によって大きく異なる。

形態的特徴として、緑色の外套で全身を覆い、その下には多くの乳房を持つとされる。この乳房からは「黒いミルク」と呼ばれる特異な血液を分泌し、これを夜鬼たちが吸飲するという。この黒いミルクは半ば自我を持ち、本体から離れても独自に活動できる特性を持つ。『クタート・アクアディンゲン』によれば、イブ=ツトゥルの眠りの間にも、この血液は独立して行動し、「溺者の意思」を実行するという。魔術師たちはこの血液を「ザ・ブラック」と呼び、敵への攻撃手段として用いることがある。

イブ=ツトゥルの性質について、複数の解釈が存在する。『星と血について』(ウイップル、1768年)では、他の宇宙的存在の血を吸う寄生的な怪物として描写され、数千年に一度の摂食期間を除いて半覚醒状態で静止しているとされる。一方で、宇宙の動かざる記録者として、あらゆる知識を集積する生きた図書館のような存在とする解釈も存在する。

住処については、地球のドリームランドにあるとされ、特にクレドの密林を越えた未知の山、あるいは密林内の隠された森に存在するという報告がある。その領域には、クレドの密林にある聖なる泉の宮殿の背後から到達できるとされる。

人類との関わりにおいて、イブ=ツトゥルは「驚異の知識」を求める者に対して接触可能な存在とされる。特に「第六サスラッタ」と呼ばれる秘密の呪文によって夢の中での接触が可能とされ、この存在から知識を「食べさせて」もらうことができるという。しかし、より強力な「稀なる第八サスラッタ」による直接的な招来は、予測不能な結果をもたらすため忌避されている。歴史的には、ティームドラの北方人の神として崇拝され、象牙の刃の神官たちがドリームランドで奉仕していた記録が残る。

存在間の関係性について、複数の仮説が提起されている。ヨグ=ソトースとの関連を指摘する説では、イブ=ツトゥルをその子孫または具現化した一部とみなし、万物に遍在するヨグ=ソトースの知識を記録する存在として位置づける。他方、シュブ=ニグラスの子とする説や、バグ=シャースとの血縁関係を示唆する説も存在する。

特筆すべき特徴として、夜鬼との深い関係性がある。夜鬼たちはイブ=ツトゥルの周囲に群れ集い、その黒いミルクを吸飲する。この関係については、イブ=ツトゥルが夜鬼を産み育てるとする説と、単に支配下に置いているとする説が並立している。

【関連魔導書】

  • 『クタート・アクアディンゲン』
  • 『星と血について』(ウイップル、1768年)
  • 『古代ルーンの伝説』
  • 『ナコト写本』

【相関】

  • 血縁:ヨグ=ソトース(子または一部説)、シュブ=ニグラス(子説)、バグ=シャース(近縁説)
  • 支配:夜鬼(従者)
  • 関連:カント(エルンスト)
  • 影響:ティームドラの北方人、象牙の刃の神官

【能力】

  • 黒きもの…自身の血を武器や恩恵、手先として放出できる。水に弱く、水をかけられと消滅する。
  • 知恵の接触…イブ=ツトゥルに触れられた者は、精神的、身体的に様々な変化を起こす。
  • 偉大な知恵…イブ=ツトゥルの乳から直接黒いミルクを摂取した者は、求める知識を得ることができる。
  • 夜鬼…常に夜鬼が付き従っている。

【恩恵】

  • 黒いミルク…イブ=ツトゥルの血を飲んだものは、イブ=ツトゥルとテレパシーが可能になる。
  • 宇宙の英知…現在、過去、未来の出来事や、呪文などを授ける。
  • 無貌のしもべ…夜鬼を貸してくれる。

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