イドラ

イドラ

yidhra

外なる神
登場作品
概要
関連/他
  • 「Where Yidhra Walks」(デビル)

【住処】

  • 現在:世界各地に分散(チャド、ラオス、ミャンマー、シュメール、テキサス、ニューメキシコなど)
  • 過去:地球(最古の生命と共に誕生)

本報告は、災厄の母「夢の魔女」として知られるイドラについての調査記録である。

イドラは地球上の最初の生命と共に誕生したとされる古代の存在である。その起源については、地球がまだ若かった時代に、エーテルの流れに乗って星々から降下した未成熟の幼生である可能性が指摘されている。

形態的特徴として、イドラは原形質の存在であり、捕食した生物のいかなる姿も模倣することができる。数千年をかけて成長と発達を遂げ、地球の生物を消化し解析することで、生存に必要な特性を獲得してきた。その姿は多様であり、人間から怪物、さらには神のような姿まで、ニャルラトテップの多様な描写に匹敵する変幻自在の存在である。

現在、イドラは自らを分割して複数の独立した化身として存在していると考えられている。これらの断片は心霊的なつながりを保ち、巨大な共有意識を形成している。記録された主要な化身の中で、最も広く知られているのは、イ夫人(災厄の母)、イハス、ヨランダの三体である。イ夫人は美しく着飾った人間の女性の姿を取り、陶磁器人形のような白く滑らかな肌に血のように赤い唇、アーモンド形の黒い瞳、そしてかみそりのような黒い長い爪を特徴とする。イハスは燃える瞳と牙の並んだくちばしを持つ巨大なハゲタカの姿をしており、ヨランダは背の高いすらりとした人間の女性で、うりざね顔と光り輝く灰色の瞳を持つ。

イドラは常に新鮮な遺伝子を必要とし、飢餓状態に陥った部分はしなびて崩壊し、不活性の原形質の液だまりとなる。その本質は一部の研究者からはシュブ=ニグラスに匹敵する地母神として、また別の研究者からは病のような存在として捉えられている。

人類との関わりにおいて、イドラは世界各地でカルトを設立し、その影響力を拡大してきた。チャド、ラオス、ミャンマー、シュメール、テキサス、ニューメキシコなど、広範な地域で活動が確認されている。信者たちには豊作が約束され、中には永遠の生命を得た者もいるという。しかし、イドラとの密接な接触は双方向の影響をもたらし、イドラは崇拝者に似てくると同時に、崇拝者もまたイドラに似てくるという特異な現象が報告されている。その結果、カルトの中枢メンバーはイドラの真の姿を認識できるようになり、徐々に残虐な性格を帯びていくとされる。

イドラの究極的な目的については、全ての生命をイドラに変えるまで現世の命を捕食し続けることではないかとする説がある。特に注目すべきは、クトゥルフ神話の他の存在をも捕食し再構築できる可能性が指摘されていることであり、もしこれが事実であれば、地球上の宇宙的存在に対する重大な脅威となりうる。

【関連魔導書】

  • 『黒の経典』
  • 『太古の恐怖』
  • 『クタート・アクアディンゲン』
  • 『スラング年代記』

【相関】

  • 関連:シュブ=ニグラス(比較対象)、ニャルラトテップ(多様性の比較)
  • 対立:クトゥルフ神話の他の存在(潜在的な捕食対象)

【能力】

  • 吸収…イドラは食べた生物の特徴を取り込み、その容姿に変化させることができる。
  • 分裂と変化…イドラの遺伝子はそれまでに食した生物を記憶し、それらの生物に変化できる。
  • 潜むもの…イドラは食べたものを「潜むもの」という吸血鬼として生み出す。

【恩恵】

  • つながり…イドラの肉を食べたものは精神的、肉体的にイドラとつながり、イドラが傷つくと、恩恵者にも影響が出る。
  • 幻覚…一時的な幻覚を作り出すことができる。
  • 不死…イドラと物理的に融合したものは、容姿が変わることもあれば、そのままの姿で生まれ変わることもあり、栄養が尽きない限り永遠の命が手に入る。

カテゴリー一覧