イタクァ

イタクァ

Ithaqua

グレート・オールド・ワン
登場作品
概要
関連/他
  • 「Born of the Winds」(ラムレイ)
  • 「Clock of Dreams」(ラムレイ)
  • 「In the Moons of Borea」(ラムレイ)
  • 「Spawn of the Winds」
  • 「風に乗りて歩むもの」(ダーレス)
  • 「イタカ」(ダーレス)
  • 「ウェンディゴ」(ブラックウッド)
  • 「ウェンディゴへの挑戦」(ラーマン)
  • 「戸口の彼方へ」

【住処】

  • 現在:北極圏及び周辺地域
  • 過去:北極の風の神殿(冬至の夜のみ出現)、ボレアの世界の丘の地下(一時期)

本報告は、風を歩むもの「大いなる白き沈黙の神」として知られるイタクァについての調査記録である。

イタクァは北極圏およびその周辺地域に強い結びつきを持つ旧支配者の一柱である。この地域には何らかの境界線が形成されているとされ、主にこの圏域での目撃報告が集中している。ただし、その影響力は世界中に及んでおり、この神格を表す印や彫像は地球上のあらゆる場所で発見される可能性がある。これらの遺物の中には、イタクァの力の痕跡やけがれを宿すものも存在するという。

形態的特徴として、イタクァは多様な姿で現れることが知られている。最も典型的な姿は、巨大なヒト型の骸骨のような形態で、燃えるような赤い目と歪んだ不気味な容貌を持ち、それは苦痛に満ちた人間の顔の劣悪な模倣のように見えるという。水かきのある足を持ち、空中を固い地面のように歩行できる特徴も報告されている。別の目撃証言では、厚い毛に覆われ、かぎ爪と牙を持つ巨大な雄ジカのような姿として描写される。全ての報告に共通する特徴として、蒸気と霧でできた巨大な雲を吐き出し、その周囲で雪が奇妙な模様を描きながら渦を巻く現象が観察されている。これらの多様な外見は地球上に存在するものの姿を反映または模倣している可能性が高く、観察者の理性を通して解釈された結果であると考えられている。

イタクァの行動は極めて特徴的である。荒野を徘徊し、不運な旅人の前に出現しては、誰も知らない場所へと連れ去るとされる。犠牲者の多くは二度と姿を現さないが、生存者も存在する。生還者は山腹で意識や記憶を失った状態で発見されることが多く、また地面や木の枝に吊るされた状態での凍死体として発見されるケースも報告されている。生存者には永続的な影響が残り、寒さや山、未開の森林地帯への強い恐怖を示すようになる。一部では生肉への異常な渇望が発生し、このことからイタクァと食人行為の関連性が指摘されている。さらに特筆すべきは、多くの生存者が「風に乗りて歩むもの」のささやきを聞くようになり、この呼びかけに従った者は姿を消し、人間らしさを失って別の存在へと変貌するという。

歴史的に、イタクァは「ウェンディゴ」という名称で知られることがある。この呼称はアルゴンキン族の民間伝承に由来し、ノバスコシア、カナダの東海岸、五大湖地域の森林地帯で語り継がれてきた。アルゴンキン族にとってウェンディゴは邪悪で人を食う精霊であり、人々に取り憑いて凶悪な怪物に変えてしまう存在として恐れられてきた。しかし、イタクァとウェンディゴの関係については、同一視する説と別個の存在とする説が並立している。

イタクァの行動範囲は、主に北部マニトバと北極点の間に制限されているものの、特定の状況下では温帯地域への移動も可能とされる。また、5年に一度の周期で他次元への旅から地球に戻ってくるとされ、その際には北方の人々の間に潜むカルトが著しい活性化を見せる。カルトの活動拠点として、スティルウォーターの町やアラスカのコールド・ハーバーが知られており、これらの集団は例外なく人身御供の実践に関与している。

関連魔導書

  • 『未開の森林地帯』(1883年、著者不明)

存在間関係

  • 支配:風の従者(手下)
  • 従属:ハスター(説あり)
  • 比較対象:ケツァルコアトル、トール、エンリル
  • 関連種族:ウェンディゴ、ヴーアミ族、プテトライト族、アヴァロス、クリッサ
  • その他:シルバーハッテ(ハンク)、ヌーミノス

【能力】

  • 吠え声…吠え声を聞いた人間は、精神的、身体的に変化する。
  • 噛みつき…イタクァに噛まれた者は、風に乗りて歩むものになる。
  • 自然を操る…160km以内で、吹雪や暴風を起こせる。
  • 奉仕種族…ノフ=ケーとシャンタク鳥を召喚する。

【恩恵】

  • 風に乗りて歩むものになる…イタクァの声を聞いたり、抱擁されたものは風に乗りて歩むものに変貌していく。
  • イタクァの印…イタクァの持つ物品の一つを授けられ、これを通して精神がつながり、場合によってはその容姿や性格に変化が発生する。
  • 氷の接触…寒さに対する耐性がつく。

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