【登場作品】
- 「Out of the Ages」(カーター)
- 「Perchance to Dream」(カーター)
- 「奈落の底のもの」(カーター)
- 「タイタス・クロウの帰還」(ラムレイ)
- 「夢でたまたま」
【住処】
- 現在:イエーの深淵(封印状態)
- 過去:ゾス(誕生地)、ムー大陸、イエーの都市
【概要】
本報告は、深淵に眠る忌まわしきもの「深淵の囚人」として知られるユトグタについての調査記録である。
ユトグタは、大いなるクトゥルフの子神の一柱とされる存在である。ガタノソアとゾス=オムモグと共にクトゥルフの「息子」と考えられており、『ザンツー石板』によれば、クトゥルフが地球に来訪する以前にゾスで産まれたとされる。
形態的特徴として、ユトグタは二足歩行型の生物で、手足には水かきと吸盤を持つ。頭部は単眼を中心として触手で覆われている独特の姿をしている。
歴史的背景として、ユトグタはクトゥルフの後を追って地球へ渡り、ムー大陸の支配を継承したとされる。ムーではユグ族から広く崇拝を集め、強大な影響力を持っていた。しかし、ガタノソア崇拝の台頭により、その勢力は徐々に衰退していった。その後、ユトグタはイエーの都市(後のイエーの深淵)に移住した。この場所は何らかの形でルルイエと結びついているとされる。
最後のムー人神官ザンツーが、ユトグタを深淵から解放し、かつての栄光を取り戻そうと試みた。しかし、この試みはムー大陸の崩壊を引き起こす大惨事となった。現在、ユトグタはイエーの深淵において、旧き印により封印された状態にある。『ザンツー石板』によれば、特定の要石による古き封印が、深淵の水の霊廟に彼を閉じ込めているという。
人類との関わりとして特筆すべきは、ユトグタの石像を介した影響力である。時として発見されるこれらの偶像を通じて、ユトグタは所有者の夢に干渉することができる。ただし、このような接触は通常、対象者を狂気に追い込む結果となる。クトゥルフと比較して、ユトグタの「夢」による接触は稀少で、約1000年に一度程度とされる。
興味深いことに、ヴーアミ族の一部は現在もユトグタ信仰を保持しており、月の暗部で生贄の儀式を続けているとの報告がある。