- キャンベル「Cold Print」
- ナーゲル “Two Minutes on High”
- ワッツ “Love’s Lonely Children”
【住処】
- ブリチェスターの地下(セヴァン谷)の壁に囲まれた部屋
本報告は、「頭なき者」「邪悪なる誘惑者」として知られるイゴーロナクについての調査記録である。
形態的特徴として、地球での顕現時には頭部を持たない人型の姿を取り、手のひらに口を持つぶよぶよした体躯を持つ。しかし、この人間的な姿は人類との接触のための器に過ぎず、その真の姿は人知を超えた何かであるとされる。他の場所での顕現時には異なる姿を取り、例えばユゴスではミ=ゴを模した姿になるなど、環境に応じて形を変える能力を持つ。
現在、イングランドのセヴァン谷にあるブリチェスターの地下、地下生物のトンネル網につながる壁に囲まれた部屋に封じ込められているとされる。旧き束縛によって自由を制限されており、一時的な解放手段として宿主の肉体への憑依を用いる。ただし、異界の神的存在を収容する重圧により、宿主の肉体は腐敗し崩壊する運命にある。
特筆すべき能力として、その名前を正しく発音することで容易に招来可能であるが、同時に極めて危険な行為とされる。招来者は、イゴーロナクを主として受け入れるか、滅ぼされて捕食されるかの選択を迫られる。
人類への影響として、倫理観の低下と放埓な行動を誘発・助長する。特に、既に堕落した行為に関心を持つ者や社会の底辺に追いやられた者を標的とし、さらなる堕落へと導く。その影響を受けた者は、人間性を喪失し、卑劣な行為の深みへと陥っていく。
崇拝組織として「喰らう手の息子たち」と呼ばれるカルトが知られているが、世界中でわずか100人程度の小規模な組織である。イゴーロナクの信者は通常、単独で邪悪な行為を行うことを好む傾向がある。また、『グラーキの黙示録』の特定のページを読んだ者にのみ接触可能とされ、これが影響力の範囲を制限している一因とされる。
グラーキとの関係性が示唆されており、『グラーキの黙示録』の大部分がイゴーロナクの崇拝と醜悪な儀式に関する記述で占められている点や、地理的な近接性から、両者の間に何らかの深い繋がりがあると推測されている。
【関連魔導書】
- 『グラーキの黙示録』
【相関】
- グラーキ(協力関係の可能性)
- ニャルラトテップ(類似した人類利用パターン)
- 旧きもの(束縛者)
- 「喰らう手の息子たち」(崇拝カルト)
【能力】
- 憑依…イゴーロナクに影響されたものは、身体を乗っ取られ、その体はイゴーロナクと同じように首無しの巨体になる。
- 招来…呪文ではなく名前を呼ぶだけで招来されることがある。
- イゴーロナクの接触…イゴーロナクに関する知識を身につけた者は、その精神が蝕まれ、犯罪衝動に駆られる。
【恩恵】
- 神の手…恩恵を受けたものは掌に口ができ、その口はイゴーロナクの言葉として声を発することがある。
- 膨張…イゴーロナクを崇拝した者は、その体格が少しずつ大きくなっていく。