- アニオロフスキー “Where a God Shall Tread”
- カーター「The Vengeance of Yig」
- カボス「The Color from Beyond」
- ギャラガーほか “Pursuit to Kadath”
- ヒールド「永劫より」
- ビショップ「イグの呪い」「墳丘の怪」
- マッケイ「Scales of Justice」
- 「闇に囁くもの」
- 「奇形」
- 「ネクロノミコン アルハザードの放浪」
【住処】
- 現在:イデタル(位置不明)またはヨスの洞窟内のンゴスの穴
- 過去:ヨス、クン=ヤン、ザンダヌア
本報告は、「蛇の父」「地を這う者の神」として知られるイグについての調査記録である。
形態的特徴として複数の姿態が報告されている。蛇人間の記録ではとぐろを巻いた蛇のような尾を持つ存在として、近年の人間の崇拝者たちはうろこを持つ二足歩行の姿として、『メタドキシザル』では強壮なドラゴンとして描写される。時には巨大な東洋の竜の姿を取るとも言われ、他のオールド・ワン同様に変幻自在の性質を持つと考えられている。出現時には必ず大量の蛇がその到来を告げるという特徴がある。
『ネクロノミコン』によれば、イグは星々の間から地球にやって来たとされる。科学的年代測定では、白亜紀(約2億5千万年前から1億年前)に飛来したとされる。ザンダヌアの世界の出身で、そこには兄弟のロコンが今も棲むという説もある。
蛇との関係性について複数の説が存在する。イグの血が地球に流れ込み初期生命体を蛇へと変化させたとする説、何らかの理由で爬虫類や蛇に特別な親近感を持つとする説などがある。爬虫類や昆虫の創造に関与したとされ、一説では人類の創造にも関わったとされる。
蛇人間の年代記によれば、当初はヨスまたはクン=ヤンに棲み、後にイデタルと呼ばれる秘密の場所に移動したとされる。現在はヨスの洞窟内のンゴスの穴に棲むとも言われる。他のオールド・ワンと比較して比較的自由に顕現できる存在とされる。
人類に対して特異な態度を示し、時として慈悲深い行動を取る。信仰者や蛇を保護した者には恩義で報い、基本的には無関心な態度を取る。この態度が蛇人間の大分裂を引き起こし、一部がイグを離れてツァトゥグァに従うようになったとされる。
一方で、イグの意思に反する者や蛇を傷つける者には強力な呪いが降りかかる。その形態は多様で、蛇による災厄、半人半蛇への変異、血筋への呪いなどが報告されている。特に秋季には、太鼓を叩き、穀物を捧げ、様々な儀式で慰撫する必要があるとされる。
崇拝の歴史は古く、地下世界クン=ヤンに始まり、北米西部、メキシコ南部(ケツァルコアトルやククルカンの神話との関連も示唆)、ムー、ヴァルーシアへと広がった。現代でも大平原地帯の一部のインディアン部族による崇拝が続いており、ブードゥー教カルトの新興分派との関連も指摘されている。満月と新月時の生贄の儀式が重要とされる。
関連魔導書:
- 『ネクロノミコン』
- 『メタドキシザル』
- 『ヴァチカン写本』
存在間関係:
- ロコン(兄弟)
- ツァトゥグァ(蛇人間分裂の原因)
- 蛇(創造物または特別な庇護対象)
- 蛇人間(従属種族、後に分裂)
- ケツァルコアトル、ククルカン(関連が示唆される神格)
- バイアティス(関連が示唆される)
- ハン(関連が示唆される)
- ススハー(関連が示唆される)
- セト(関連が示唆される)
- 旧きもの(潜在的な敵対者)
【能力】
- 蛇に命令する…地球上のどこにいても蛇を呼び出すことができる。
- イグの呪い…①人間を全身、もしくは半人半蛇の怪物にする。②血筋に呪いをかけた場合、生まれてくる子供が蛇の特徴を持つ奇形児だったり、完全に蛇の容姿になる。
【恩恵】
- 耐性…蛇毒への耐性ができる
- 蛇と心を通わす…蛇と蛇人間と意思疎通が可能になる
- 蛇の姿…身体の一部もしくは全身を蛇にすることができる
- 脱皮する…肌を脱皮して、傷を癒すことができる