- カットナー「狩りたてるもの」「クラーリッツの秘密」「侵入者」
- 「恐怖の鐘」「古の鐘」
【住処】
- 現在:次元間を放浪
- 過去:地球(創世期)、ベル・ヤーナク
本報告は、「輝ける狩人」「反生命の至高存在」として知られるイオドについての調査記録である。
形態的特徴として、一部動物、一部植物、一部鉱物という複合的な性質を持つ。具体的には、鉱物質の結晶体が集合して鱗に覆われた半透明の発光する肉体から、植物状の触手を蠢かせる姿として描写される。
この存在は地球が誕生して間もない頃に飛来したとされ、現在は主にベル・ヤーナク(ベテルギウスの先、銀河系境界に存在するとされる惑星)の住人たちに崇拝されている。過去にはアトランティスやムーの人々に「輝ける狩人」として知られ、古代ギリシアではトロポニオス(トルフォニオス)、エトルリアではヴェディオヴィスとして崇拝された。最も遠い銀河の存在たちからは「源なるイオド」として崇敬されているという。
その本質は、プリンの『妖蛆の秘密』によれば、飽くことのない飢えを持つ危険な存在とされる。『イオドの書』では、死をつかさどる反生命の至高存在であり、解放されると人間を獲物として血への欲求を満たす狩人として描写されている。
特筆すべき能力として、ティンダロスの猟犬に似た追跡能力を持つ。一度イオドに印をつけられた者は、他の次元や時間に逃げても容赦ない追跡を受け続ける。追われる者は最終的に捕らえられ、その運命は極めて陰惨なものとされる。また、魔術師による召喚も可能だが、適切な封じ込めを行わなければ魔術師を襲い、その精神を捕食するとされる。
この存在を崇拝する者たちは、その血への渇きを体現し、殺人を伴う儀式を宗教行為として実践する。イオドの姿は時に古代の遺物(粘土板、陶器、金属製の鉢など)に供物を受け取る姿として描かれている。
最も重要な資料とされる『イオドの書』は1部しか存在しないとされ(複製の存在も噂される)、コプト語とギリシャ語を組み合わせた「古代の言語」で書かれている。著者は不明だが、謎の魔術師クト=ナーとする説がある。この書にはイオドからの一時的な隠遁方法が記されているというが、その希少性から実践的な価値は低い。
【関連魔導書】
- 『イオドの書』
- プリン『妖蛆の秘密』
- 『カーナックの書』
- 『イシャクシャール』
【相関】
- クトゥルー(ムー大陸での共同崇拝)
- ルヴァドス(ムー大陸での共同崇拝)
- ティンダロスの猟犬(類似した追跡能力)
【能力】
- 狩り…イオドに印をつけられたものは、狩りが終わるまで追われる身となり、夢にもイオドが現れるようになる。この呪いから解放されるには、イオドを殺すか、適切な呪文を唱えるしかない。
【恩恵】
- 影の膜…イオドの体液を飲んだ者は、体を影のようにすることができるようになる。
- 生ならざる誕生…イオドの儀式で生贄になった者は、時にアンデットとして蘇ることがある。