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【完全版】ヴーアミ族│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】ヴーアミ族│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Voormis

奉仕種族

危険度: ★★★☆☆☆☆☆☆☆

本報告は、ハイパーボリアの原住民「洞窟の狩人たち」として知られるヴーアミ族についての調査記録である。

ヴーアミ族は、人類の出現以前からハイパーボリア(現代のグリーンランド)に居住していた原始的なヒト型種族である。その起源については複数の説が存在し、シャタクとツァトゥグァの交配から生まれた下級神格ヴーアムの子孫とする説、ヴァルーシアのヘビ人間によって更新世に奴隷として飼育された種族とする説、さらには地下の洞窟世界から現れた何らかの残虐な生物と人間の女性との間に生まれたとする説がある。

形態的特徴として、通常のヴーアミ族は毛深い人型の姿を持つが、変異型は3〜9メートルにも及ぶ巨大な体格を持ち、より獣的で残虐な性質を示す。これらの変異個体は通常、単独で行動するが、時として集団行動も観察される。現代の伝説に登場するサスクワッチやイェティは、このヴーアミ族の末裔である可能性が指摘されており、トロールの民間伝承もその変異種に由来すると考えられている。

歴史的背景として、ヴーアミ族は初期にハイパーボリア大陸においてグノフケー族を極地方へ追いやり、独自の文明を築いた。地下に居住する傾向が強く、創造主とされるツァトゥグァへの信仰を中心としていた。しかし、その歴史の中でイタクァ崇拝者による反乱が発生し、敗北した反逆者たちは正統なヴーアミ族の国から追放される事態も起きている。

人類との関係は複雑な変遷を辿った。最初期の人類がハイパーボリアに到来した際、ヴーアミ族は彼らに食物と避難所を提供し、科学や魔術の知識を伝授したしかし、人類の増加に伴いヴーアミ族は徐々に山岳地帯へと後退を余儀なくされ、最大の居留地であるヴーアミタドレス山に集中することとなった。その後、人類は恩を忘れ、ヴーアミ族を娯楽的な狩猟の対象とするまでに関係は悪化した。

ハイパーボリアを襲った寒気の到来により、ヴーアミ族は生存のため人間の村を襲撃せざるを得なくなり、これに対するハイパーボリア人の報復により、種族としてほぼ壊滅状態に追い込まれた。現在では絶滅した可能性が高いものの、北半球の辺境地域に孤立した部族が生存しているとの噂も存在する。

生態的特徴として、ヴーアミ族は主に夜行性で、狡猾な狩猟者として知られる。共同体の利益のために協力して行動する習性を持ち、人間との接触は必要最小限に留める傾向がある。先史時代には軍事的な組織力も持ち合わせており、初期人類や他種族の集落への組織的な攻撃を行い、古代ロマールの滅亡にも関与したとされる。

【住処】

  • 現在:北半球の辺境地域(生存が確認されている場合)
  • 過去:ハイパーボリア(現グリーンランド)、ヴーアミタドレス山、地下洞窟群

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
(2D6+8)*5(2D6+5)*5(2D6+3)+5(2D6+5)*5
POWINTHPMP
(2D6+5)*5(2D6+1)*51113
DBビルド移動正気度喪失
+1D6190/1D6

行動

  • 攻撃回数:3回(かぎ爪と噛みつき)/1回(武器)
  • 近接戦闘:40%/1D6+DB
  • 槍:40%/1D6+DB
  • 噛みつき:40%/1D4
  • 投げ槍:40%/1D8+1もしくは2D8
  • 回避:30%

装甲

  • 2ポイント

魔術

  • 呪文:なし。シャーマンの場合は、「無形の落とし子との接触」・「ツァトゥグアとの接触」・「邪眼」・「萎縮」。

技能

  • 隠密:30%・聞き耳:50%・追跡:75%・投擲:40%・目星:50%・においを嗅ぐ:75%

能力

  • なし。

原作「モーロックの巻物」では

  • ノフケー族(ラーン=テゴス信仰)とヴ―アミ族(ツァトゥグア信仰)が戦争を繰り返していた
  • ヴ―アミ族が勝利してモーロックの巻物を入手した
  • 主人公はヴ―アミ族の熱心なツァトゥグア信者だったが大祭司になれなかった
  • 怒りからツァトゥグアの神殿でモーロックの巻物を盗み出した
  • 巻物を盗んだ直後に主人公の体がノフケー族へと変異してしまい、仲間に信じてもらえずに処分されることとなった
筆者:たいき

祭司になれなかったからといって、味方に報復をしかけるヴ―アミ族が好きすぎます。

シナリオ導入例

1:考古学発掘型

  • 古代遺跡の発掘現場で二つの異なる文明の痕跡を発見
  • 一方は平和的な農耕文明、もう一方は戦闘的な狩猟文明の遺跡
  • 発掘品の中から「モーロックの巻物」の断片を発見
  • 巻物を研究した学者が徐々に人格や外見に変化を示し始める

2:宗教的地位争い型

  • 探索者の一人が宗教団体内で昇進を目指しているが挫折
  • 失望した彼が禁断の儀式や秘密の文書に手を出す
  • その結果、肉体的・精神的変化が起こり始める
  • 他の探索者は変化した仲間を救うか、脅威として対処するか選択を迫られる
筆者:たいき

モーロックの巻物を登場させたら、ノフケー族というもふもふの種族になれるチャンス。ヴーアミ族が必要かどうかを検討する必要があります。

演出のヒント

1:部族間対立の歴史的重厚感演出

  • 世代を超えた憎悪:理由を忘れても続く対立の不毛さ
  • 文化的差異:生活様式、価値観の根本的な違い
  • 宗教的正当性:双方が自分たちを正義と信じる確信
  • 血で血を洗う復讐:終わりの見えない報復の連鎖

2:種族変異の恐怖演出

  • 段階的変化:徐々に進行する肉体的・精神的変化
  • アイデンティティ危機:自分が何者なのかわからなくなる恐怖
  • 所属集団の喪失:どの集団にも受け入れられない孤立
  • 不可逆性:元の姿に戻ることができない絶望

3:モーロックの巻物の力演出

  • 禁断の魅力:触れてはいけないものへの誘惑
  • 即効性の恐怖:巻物に触れた瞬間から始まる変化
  • 予測不可能:何が起こるかわからない不安
  • 代償の重さ:力を得る代わりに失うものの大きさ
筆者:たいき

そもそもモーロックの巻物を読ませるかどうか、キーパーの扱いによって探索者の行動が変わりそうです。慎重な取り扱いでいきましょうっ。

イラスト・ファンアート・素材紹介

雪男的な存在に近く、人間味があるのが不気味である
一見すると巨大な人間に見えるが、この容姿から話し合いはできないだろう

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

ツァトゥグァ
血縁・信仰
シャタク
血縁
グノフケー族
対立
アフーム・ザー
関連
ウボ=サスラ
関連
クニガティン・ザウム
関連
イタクァ
信仰
ヴーアム
始祖

【関連魔導書】

  • 『ナコト写本』
  • 『ヴーアミ碑板群』

登場作品

  • 「The Acolyte of the Flame」(カーター)
  • モーロックの巻物」(カーター & C.A.スミス)
  • 「アタマウスの遺言」(C.A.スミス)
  • 七つの呪い」(C.A.スミス)
  • 「The Trail of Tsathogghua」(ハーバー)

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