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【完全版】モルディギアン│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】モルディギアン│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Mordiggian

グレート・オールド・ワン

危険度: ★★★★★★☆☆☆☆

本報告は、「死者を喰らう者」「死のごとく古い全能の神」として知られるモルディギアンについての調査記録である。

形態的特徴として、この存在は生ける死と暗黒が塊となった影を本質とするその姿は可変的であり、時に食屍鬼のような外見を取り、またある時は悪夢が渦を巻いているような触肢と巨大な口を備えた姿となって現れる。モルディギアンが出現する際には必ず、周囲の火などの熱源や光が消え去り、同時に死を強く感じさせる強烈な悪臭が漂うことが報告されている。

この神格の特筆すべき特性として、独特な移動方式が挙げられる。食屍鬼の伝承によると、モルディギアンは魔術による移動を好まず、代わりに食屍鬼の広大なトンネル網を通って世界と世界の間を行き来するという。多くの研究者は、この存在が望めば生来の力で瞬間移動できるはずだと考えているが、興味深いことに、崇拝者による召喚時以外にそのような移動を行使することはないとされる。

歴史的には、かつて諸大陸で広く崇拝された神格であったが、現在では限られた数の老いた食屍鬼のみがその信仰を保持している。しかし、未来のゾシークにおいて、特にズル=バー=サイールの都市を中心に、再び組織的な崇拝が行われるだろうという予言が存在する。

人類との関係において、モルディギアンは基本的に無関心な態度を示す。この神格は人間をただの栄養源としてしか見ておらず、特に死後時間が経過した遺体を好むとされる。しかし注目すべきは、食屍鬼と友好的な関係にある人間に対しては時として慈悲を示すことがある一方で、食屍鬼の利益に反する者に対しては容赦のない報復を行うという二面性である。

ある説によれば、モルディギアンは覚醒世界とドリームランドの両方を巨大な死の納骨堂に変えることを望んでいるという。この仮説の真偽は現時点では確認されていない。

【住処】

  •  現在:ドリームランドの骨の海付近
  • 過去:諸大陸の地下墓地網

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
175380200100
POWHPMPDB
1255825+4D6∼+5D6
ビルド移動正気度喪失
5∼6161D8/1D20

行動

  • 攻撃回数:4回(近接戦闘)・1回(巻き込む)
  • 近接戦闘:80%/3D6
  • 巻き込む:70% …回避に失敗した対象を巻き込んで、そのまま対象は消滅する。

装甲

  • なし。
  • 普通の武器はダメージを与えない。
  • HPが0になれば腐敗した液体の雨を降らせる。濡れたものは1D6日の間、臭いが消えない。その後1D100日後に復活する。

魔術

  • 呪文:「肉怪物に命を吹き込む」・「夢見る人を補助する」・「疫病の到来」・「吐き気の魔法陣」・「うじ虫」・「悪夢」・「夢を送る」・「麻痺の突風」・「食屍鬼の召喚」・「臓器の転移」・その他キーパーの任意。

能力

  • めまいのする感覚:モルディギアンを見た者は、その激しい姿の成り変わりで催眠術にかかる。
  • 火を吸い取る:モルディギアンが存在する場所は光源も熱源も消えてしまう。
  • 完全消滅:モルディギアンに食べられると、肉体だけでなく、魂まで消滅してしまう。

恩恵

  • 知識の継承:死んだ人間を食べると、その者が持つ記憶を引き継げる。
  • 食屍鬼の視覚:嗅覚が強化され、また暗闇でも目が効くようになる。
  • 変身:食屍鬼のような姿になる。

原作「食屍鬼の神」では

  • エライスは身体麻痺の持病を抱えている
  • エライスとファリオムは親族の街を目指して旅をし、ズル=バ=サイルの街に迷い込む
  • エライスが宿泊先で発作を起こし、仮死状態になる
  • 医者が死を認定し、神官への届け出により神殿に捧げられることが決定
  • ファリオムの抵抗むなしく、エライスが神殿に運ばれる
  • 妖術師アブノン=タがアルクテラを殺害し、降霊術で蘇生させる計画を立てる
  • ファリオムが神殿に侵入し、祭壇でエライスとアルクテラの遺体を発見
  • 神モルディッギアンが顕現し、妖術師たちを呪いで打ち倒す
  • モルディッギアンがアルクテラを連れ去る
  • 神官たちが妖術師を捕らえ、ファリオムとエライスは神殿を後にする
筆者:たいき

モルディギアンは死体にしか興味がありません。エライスに興味を示さなかったのは、ただの病気でまだ生きているのを理解していたのでしょう。

シナリオ導入例

1.:トンネル網迷子型

  • 地下鉄工事中に既存の路線図にない古いトンネルが発見される
  • 探索者は土木関係者、地質学者として調査
  • トンネル内で食屍鬼の痕跡と、異世界への通路らしき空間を発見
  • 調査中にトンネルが崩落し、探索者が食屍鬼の領域に迷い込む
  • そこでモルディギアンの移動に巻き込まれ、異なる世界のトンネルに転移

2:食屍鬼協力要請型

  • 探索者が過去に食屍鬼と友好関係を築いた経験を持つ
  • 食屍鬼の長から協力要請を受ける
  • 人間の盗掘団が埋葬地を荒らし、モルディギアンの怒りを買っている
  • 神格の報復が始まっており、無関係な人々にも被害が拡大する恐れがある
  • 食屍鬼たちは人間との仲裁者として探索者に頼む
筆者:たいき

モルディギアンは生きている以上は無害です。しかし死んでいる者を復活させようとしたり、死体を連れ出そうとすると怒ります。
蘇生自体が生命倫理学の禁忌でもあります。親しい人を蘇生させるかどうか、倫理を問うシナリオも面白そうですっ。

演出のヒント

1:生ける死の影演出

  • 物理的な影ではなく「死そのもの」が形を持った不定形の暗黒
  • 影に触れられた部分から生命力が抜けていく

2:光熱消失の絶望演出

  • 探索者の持つ懐中電灯や松明が一斉に消える
  • 暖房や体温さえも奪われる不自然な冷気

3:死臭による嗅覚攻撃演出

  • 単なる腐敗臭を超えた「死の本質」を感じさせる異臭
  • 鼻腔から脳に直接侵入するような不快感
  • 匂いを嗅いだだけで死への恐怖が増大する心理的効果
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

フードと骸骨は典型的な死神のイメージで、グロテスクとは違う死を直感できる見た目となっている
芋虫のような姿だが、先端にいる人型が神聖的で他のクリーチャーとは違う邪神らしさに見える

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

食屍鬼
配下

【関連魔導書】

  • 『屍食教典儀』(ダレット伯爵著)
  • 『食屍鬼写本』

登場作品

  • 食屍鬼の神」(C.A.スミス)
  • 「Reflections of Dust and Death」 (アンブール)
  • 「Identity Crisis」 (クルーガー)
  •  “Delta Green” (デトワイラー、グランシー&タインズ)

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