
【完全版】チャウグナー・フォーン│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Chaugnar Faugn
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★☆☆
本報告は、「座す神」として知られ、先史時代から地球に存在する、吸血性の超次元的存在についての調査記録である。
形態的特徴として、人型の体躯に独特の頭部を持つ。頭部にはクモの巣状の耳があり、鼻の先端には大きな円盤状の突起を有する。また口の両端からは巨大な牙が突き出ている。一般に「象の神」と誤解されることがあるが、これは偶像制作者たちの誤認に起因するとされる。通常は石化したような状態にあるが、血の臭いに反応して活動を開始する。
現在の主たる住処はアジアのツァン高原の秘密の洞窟とされ、そこで座した姿勢で眠りについているとされる。歴史的には、ローマ時代にスペイン北部のピレネー山脈、ポンペロの町近郊の地下に居住していた記録がある。ローマ軍との対立を避けるため東方への移動を選択し、現在の場所に至ったとされる。近年ではモントリオールでの出現報告もある。
特筆すべき能力として、自身の偶像への憑依が挙げられる。小型から大型まで、時間をかけて制作された偶像に対して影響力を及ぼし、化身として具現化する能力を持つ。これにより少なくとも一つの博物館で深刻な事態が発生した記録がある。また、これらの偶像を通じて世界の出来事を観察できるとされる。
人類との関わりにおいて最も重要な特徴は、その吸血鬼的な性質である。人類の生命力を吸収することを望み、従者たちに人間の捕獲を命じて生贄として捧げさせる。崇拝者たちは儀式的な血抜きを行い、自らの血を偶像に注ぐことで信仰を示す。
歴史的背景として、地球に到来した当時、最も高度な生物は両生類であった。自身に仕える種族を望み、両生類の体組織を利用してミリ・ニグリを創造。その後、ミリ・ニグリと人類との交配により、チョー=チョー人という混血種族を生み出したとされる。これは、オールド・ワンの穢れで人類を呪うことを目的としていたという。
将来に関する予言として、「青白き侍者」(または「白い侍者」)の出現が語られる。この存在が西方からやって来て、チャウグナー・フォーンを「新しい土地」へ運ぶとされる。この侍者の正体については、ニャルラトテップ説や別のオールド・ワンとの結合説など、複数の解釈が存在する。「新しい土地」は『ネクロノミコン』が予言する世界の終末、すなわち地球の変容と人類のオールド・ワン化を指す可能性が指摘されている。
【住処】
- ツァン高原の洞窟(現在)
- ピレネー山脈ポンペロ近郊(過去)
- モントリオール(最近の目撃情報)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
325 | 700 | 200 | 150 |
POW | HP | MP | DB |
175 | 90 | 35 | +6D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失(銅像) | 正気度喪失(動いている時) |
7 | 20 | 0/1D6 | 1D4/2D6+2 |
行動
- 攻撃回数:2回(近接戦闘)・1回(押さえ込んで血を吸う)
- 近接戦闘:100%/80%/6D6
- 押さえ込んで血を吸う:80%/1D6+CON5 …対象に鼻で噛みついて放さない。毎ラウンド1D6のダメージとCONを5失う。抜け出すにはSTRでクリティカル成功する必要がある。もしくは20ポイント以上のダメージを与えると離してくれる。
装甲
- 10ポイント
- 普通の武器はダメージを与えない。
- HPが0になれば動かない銅像になる。復活に特定の時間はなく任意の時間で復活できる。
魔術
- 呪文:「チャウグナー・フォーンの呪い」・「チャウグナー・フォーンの兄弟の召喚/従属」・その他キーパーの任意。
能力
- 催眠:対象を死へと誘う。
- 心臓発作:チャウグナー・フォーンが凝視したものは心臓発作を起こす。
- チャウグナー・フォーンに選ばれた者:チャウグナー・フォーンに選ばれた場合、精神波を送られ続け、精神が壊れた時に支配され、その容姿もチャウグナー・フォーンに似たものへと変貌する。
- 精神を介したお告げ:チャウグナー・フォーンに影響された者は、その存在の夢を見て、さらに血を求めた吸血鬼のような行動をとるようになる。
恩恵
- 催眠:対象に催眠をかけて、質問に答えさせたり、行動をとらせることができる。
- 心臓をつかむ:触れた対象が心臓発作を起こす。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「恐怖の山」では
- ローマ時代、ピレネー山中のミリ=ニグリ族が町民をさらい、チャウグナル・ファウグンへの生贄とする
- ローマ総督が派遣した300人の討伐隊を異常現象で壊滅させる
- 勝利するが身の安全のためにツァン高原へ移動し、兄弟たちをピレネーに残す
- 20世紀、マンハッタン美術館のアルマンがツァン高原の洞窟で神像を入手
- 生きた石像としてアルマンの血を啜りながらアメリカへ到着する
- 美術館に展示されたチャウグナー・フォーンが夜警を殺害する
- 美術館から誰にも気づかれず逃亡する
- スペインのピレネーで兄弟たちによる虐殺事件が同時発生
- 主人公一行が追跡を始める
- 主人公らの光線攻撃を受けて消滅し、時空の彼方へ送り返される
- チャウグナー・フォーンの消滅と連動してスペインの兄弟たちも消滅する

光の当たった部分だけ時間が遡るアーティファクトが登場します。どう見てもドラ〇もんです。
ちなみに人間が当たっても消滅しますし、動物に当ててる場面もあります。扱いを間違えたら主人公たちが悪役でした。
シナリオ導入例
1.:博物館偶像事件型
- 美術館に寄贈された古代の像から、夜中に血のような液体が滲み出る
- 警備員が像の前で意識を失い、発見時には極度の貧血状態で倒れている
- 学芸員の調査により、像の制作年代が予想より数千年古いことが判明
2:古代遺跡発掘型
- 古代ローマ時代の地下遺跡から、巨大な石の玉座が発見される
- 発掘現場で作業員が次々と原因不明の失血死を遂げ、現場は一時封鎖される
- 玉座の周辺で発見された壁画に「東方への逃亡」を描いた図像が確認される

他の像もたくさん並べて、どの像が犯人なのか探索者に推理させる流れも面白くなるかもしれません!。
演出のヒント
1:座す神の威厳演出
- 眼光の鋭さ:閉じた目の下から、探索者を見透かすような鋭い視線を感じる
- 空間の支配:その周辺だけ重力や気圧が異なり、神域であることを実感させる
- 覚醒の兆候:血の臭いに反応して、石の表面に微かな体温や脈動が現れる
2:独特な頭部特徴の演出
- 円盤状鼻:呼吸するたびに円盤が微かに膨らみ、生命活動の証を示す
- 牙の威嚇:口元から突き出た牙に血が滴り、過去の犠牲者の痕跡を暗示
- 象の誤認:一瞬「象のような」印象を受けるが、よく見ると全く異なる恐怖



どうしても知名度の高い神格なので探索者は察してしまうでしょうが、やはり始めはあくまでも気味の悪い銅像として扱った方が、ホラーな演出はできそうです。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:ArcosArt様「Chaugnar Faugn by ArcosArt on DeviantArt」


- 素材:インスマス計劃様「クトゥルフ神話生物素材集 第4弾!! – インスマス計劃 – BOOTH」
単品価格:200円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
【関連魔導書】
- 『ナコト写本』
- マグヌム・インノミナンドゥム
登場作品
- 「恐怖の山」 (ロング)
- 「古の民」 (ラヴクラフト)
- 「墳墓の主」
- “Horror’s Heart” (ジレット & ウィリス)
- “The Curse of Chaugnar Faugn” (バートン)
- “Selected Letters IV” (ラヴクラフト)