
【完全版】アトラック=ナチャ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Atlach-Nacha
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★☆☆☆☆
本報告は「アトラナート」としても知られる次元間存在についての調査記録である。
外見は人間大の蜘蛛の体躯に人に似た頭部を持ち、毛に縁どられた狡猾そうな小さな目と甲高い声を特徴とするが、これは人間には蜘蛛として知覚される一つの表象に過ぎないとされる。他種族や他次元での姿については現時点で確認されていない。
当該存在の起源に関して、ツァトゥグァと共に土星から地球に来訪したという記録が存在する。現在の主たる活動拠点はヴーアミタドレス山の地下にある巨大な亀裂内とされ、近年ではシベリアやペルーからも目撃報告が確認されている。また、ツァトグアの洞窟の奥深く、底なしの深淵にも棲むとされる。
最も特筆すべき特徴として、当該存在は複数の次元に跨がる広大なクモの巣を永続的に紡ぎ続けているという点が挙げられる。この作業は覚醒世界とドリームランドの間の底なしの裂け目に架橋を設ける行為とされ、世界の終わりまで継続される永遠の仕事として認識されている。なお、この巨大な構造物の一部は地球上の特定の場所、特に人目につかない場所(屋根裏、地下室等)に出現することが報告されている。
影響力の及ぶ範囲として、全てのクモを支配するという伝承が広く存在し、特に「アトラック=ナチャの子ら」と呼ばれる中生代の化石種を統率していたとされる。これらの化石は特殊な秘儀により復活可能とされ、現代でも世界各地で確認されている。
崇拝に関して、フェニキア文明での信仰が確認されており、現代においてもインドとアンダマン諸島に信仰集団が存在する。当該存在は主に魔術師との交流を好み、秘儀的知識との取引を行うとされる。ダゴン秘密教団においては「死の木」に棲み、特定の人々を処罰する存在として認識されている。
注目すべき仮説として、この広大なクモの巣の構築がヨグ=ソトースの力に対抗する手段である可能性が指摘されている。両者は宇宙的な規模のゲームを展開しているとされ、その結末は人類にとって好ましくないと予測されている。
歴史的事例として、1985年頃にバートン=ドハティ探検隊が当該存在の探索を試み、グラスファイバー装甲を装備して臨んだものの、以後消息不明となっている事件が報告されている。
【住処】
- ヴーアミタドレス山の地下亀裂
- ツァトグアの洞窟深部
- シベリアの某所
- ペルーの某所
- 覚醒世界とドリームランドの間の裂け目
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
150 | 375 | 125 | 125 |
POW | HP | MP | DB |
150 | 50 | 30 | +2D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
3 | 15 | 1/1D10 |
行動
- 攻撃回数:4回(近接もしくは噛みつきの場合)・1回(それ以外の場合)
- 近接戦闘:60%/2D6
- クモに糸を投げかける:80% … 対象者が回避に失敗すると、糸に絡めとられる。STR100との対抗に成功しない限り抜け出すことができない。ナイフなどがあればボーナスダイスを付与する。
- 噛みつき:50%/1D6+2+麻痺毒 … 装甲を無視してダメージを与える。対象者がCONロールに成功すると、1D10ラウンド麻痺毒に抵抗でき、さらに二回目のロールに成功すると毒を耐えきったとする。
- 体液を吸う:噛みつき成功+麻痺毒時 … 麻痺している対象の体液を吸う。STRを1ラウンドに3D10失う。0になれば死亡する。対象者を助け出すことができた場合、一か月経過ごとにSTRが2D10回復する。この時HPはSTRの5分の1より大きくなることはない。
装甲
- 表面:12、体の下面:8 … 下面を狙う場合、ペナルティダイスを一つ付与する。
- HPが0になれば巣穴へと逃げていく。その後1D10日後に復活する。
魔術
- 呪文:すべての接触呪文・その他キーパーの裁量。
能力
- 寄生グモ:落とし子を生み出し、他の生き物に寄生させることができる。
恩恵
- クモもどき:感覚が強化され、さらに壁を移動したり、手から糸が出せるようになる。
- クモの四肢:手足の形がクモのようになり、また追加で生えることもある。
- クモの出産:体内にクモの子供を宿し、その子を生んで利用することもできる。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「七つの呪い」では
- 主人公は呪いの力で体が勝手に動きアトラック=ナチャの元へ向かうが、アトラック=ナチャは常に橋を紡ぎ続けているため主人公の相手をしなかった
- そのままアトラック=ナチャは次の生物の元へ行くように呪いをかけ、食事よりも橋作りに専念した

食事をとらずに橋を作り続ける職人魂にもはや感服です。
シナリオ導入例
1:呪い継承型
- 探索者の一人が古い遺物や呪文書に触れてしまい、突然体が勝手に動き始める
- 意志に反して特定の場所(橋の建設現場や古い石橋など)へ向かってしまう
- 他の探索者は呪われた仲間を助けようと後を追う
2:古橋保護型
- 田舎町のある古い橋の取り壊し工事が決定
- 工事関係者が原因不明の事故や怪我で次々と現場を離れる
- 実はアトラック=ナチャがその橋を守っていて、この橋こそがドリームランドと覚醒の世界を繋がる門になる
- 探索者たちは調査でも仕事でも、最終的に橋を壊すことが目的となる

橋が完成したらどうなるのかは未知数です。橋を完成させて、ドリームランドと覚醒の世界を通じさせるか、そうなると神話生物が世界に一気に流れ込んでくるし…。そういうバッドエンドも面白いかもしれませんっ。
演出のヒント
1:探索者の身体制御の恐怖演出
- 段階的侵食:最初は軽い違和感から始まり、徐々に制御を失う
- 意識と行動の乖離:思考もでき言葉も話せるが、体が言うことを聞かない
- 抵抗の無意味さ:必死に抗おうとするが結局は導かれてしまう
2:アトラックナチャの橋作りへの異常な執着演出
- 優先順位の異常さ: 食事や睡眠よりも橋作りを優先
3:アトラックナチャの仕事妨害への怒り演出
- 豹変:普段は無関心だが、妨害されると突然凶暴化
- 執拗な攻撃:邪魔者を徹底的に排除しようとする



クモらしい描写にこだわらなくても、虫ってだけで比較的嫌悪感を抱かれやすいので、アトラック=ナチャではなく、環境の描写に力を入れると臨場感が出そうです。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:MorkarDFC様「Atlach-Nacha by MorkarDFC on DeviantArt」


- 素材:インスマス計劃様「クトゥルフ神話生物素材集 第4弾!! – インスマス計劃 – BOOTH」
単品価格:200円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
登場作品
- 「七つの呪い」 (C.A.スミス)
- “H.P. Lovecraft’s Dreamlands” (ウィリアムズ&ピーターセン)
- 『賢者の石』 (C.ウィルソン)
- “Web of Memory” (シマンスキ)
- “The Andaman Islands” (ハーバー)
- 『クトゥルフ神話図説』 (ピーターセン)
- 『A Guide to the Cthulhu Cult』 (ペルトン)
- 「Heterodox Churches in Innsmouth」 (マーシュ)