
【完全版】アイホート│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Eihort
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★★☆
本資料はアイホートと呼ばれる存在についての調査報告である。
複数の目撃証言から、その外見は巨大な白色の楕円体で、下部から無数の細い脚を持ち、頭部には絶えず形を変える目と脈動する表皮を持つ球状の器官を有することが確認されている。
現在、イギリスのセヴァン谷地下に存在するとされ、古代の魔術による封印で閉じ込められているという説が有力である。ただし、これが真の封印なのか、あるいは当該存在の意思による潜伏なのかは現時点で結論が出ていない。
特筆すべきは、人間への特異な干渉方法である。テレパシーによる直接的な精神接触を行い、対象に従僕となることを提案する。この提案を拒否した場合、対象は例外なく死亡している。一方、承諾した場合はさらに興味深い現象が報告されている。
対象は一時的な記憶喪失を経験した後、体内に「雛」と呼ばれる何らかの存在を埋め込まれる。その後、被験者は段階的に異常な幻覚体験を報告するようになり、最終段階では体が裂開し、多数の小型生物が出現するという極めて特異な事例が記録されている。
当該存在の影響は死後にも及ぶとされ、埋葬された遺体が地下へ引き込まれる事例も報告されている。また、その居住域とされる迷宮は通常の物理法則に従わず、世界各地に「門」を持つことが示唆されている。
近年、当該地域における原因不明の失踪事件の増加と本事象との関連性が指摘されており、さらなる調査が必要とされている。また、同地域に存在が示唆される他の未確認生物との相互関係についても、今後の研究課題となっている。
【住処】
- イギリスのセヴァン谷地下迷宮
- キャムサイドの地下
- ミスカトニック大学の地下室(入り口)
- 多次元に繋がる「門」を持つ迷宮
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
200 | 400 | 250 | 60 |
POW | HP | MP | DB |
150 | 65 | 30 | +5D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
6 | 8 | 1D6/1D20 |
行動
- 攻撃回数:1D6回
- 噛みつき:70%/2D6/麻痺毒の牙で噛みつく。対象者はCONロールに失敗したら1D6時間の間麻痺する。
- 押しつぶし:50%/5D6/5m以内の対象に対して行動できる。
装甲
- なし。
- 全ての物理攻撃が最小ダメージなる(銃弾含む)。
- 1ラウンド毎にHPが3ポイント回復する。
- HPが0になれば溶けて消えていく。その後1D10+20年後に復活する。
魔術
- 呪文:「記憶を曇らせる」・「犠牲者を魅了する」・「肉体の保護」・「液状の死」・その他キーパーの裁量。
能力
- アイホートの契約:アイホートに不運にも遭遇した人間は、質問を迫られ受け入れた場合、体の中にアイホートの雛を植え付けられる。
- アイホートの雛:雛が生まれると、犠牲者やその他の人間を食べようとする。また彼らは集まって人間に擬態することもできる。
- 精神を操る:①転移…アイホートの精神を対象に移し、体を乗っ取る。②幻影…5分間、対象に望んだ感覚を感じさせることができる。③恐怖心を強める…200m以内の人間の恐怖心を強める。④痛覚…対象に精神波を飛ばして痛みを与える。
恩恵
- 雛の世話人:アイホートの雛を植え付けられた人間は、精神的に雛と繋がり、雛を危機から保護しようとする
- 雛の保有者:アイホートの雛は保有者に対し、身体的に操ることができる
- 精神の混乱:他の人間を混乱させることができる
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「嵐の前に」では
- アイホートの教団に言われた通り、「門」の役割を持つ屋敷に向かった
- 近隣住民はこの屋敷の窓から複数の目を目撃するなど噂が絶えない
- 屋敷内で翼が広げられる音やベッドの下の青白い人影、上階からの重い足音などの怪現象が発生
- 最奥の部屋にある扉から長い時間落下し続ける
- アーチ状の天井で壁に無数の穴がある空間に落ち、穴から出てきたアイホートと遭遇
- アイホートとの契約に拒否すれば殺されるため、契約するがその際体内に雛が植え付けられる
- 外見はぶくぶくに膨れ上がった不健康な姿となり、思考はできるが言動は雛に制御される
- 紙に助けを求める文字を書くも相手にされず、最終的に飛び降り自殺を図ると血ではなく無数の雛が体から出現した

それまでのブクブクになる過程もですが、最後の描写が本当に気持ち悪かったです。集合体恐怖症に刺さりました。
シナリオ導入例
1:調査依頼型
- 行方不明となった研究者の最後の手がかりが「あの屋敷」
- 依頼人は表向き心配しているが、実はアイホートの教団のメンバー
- 探索者たちに「必ず全員で最奥まで進むように」と不自然に強調してくる
2:継承・遺産型
- 探索者の一人が遠縁の親戚から屋敷を相続
- 遺言書に「地下室だけは絶対に開けるな」との警告
- しかし近隣住民の証言や怪現象が好奇心を刺激
3:救出作戦型
- 友人・家族が屋敷に入ったまま数日間連絡が取れない
- 最後のメッセージは「素晴らしい発見をした」という興奮気味な内容
- 警察は「単なる家出」として取り合わない

出会った時点で死が確定します。NPCなど契約してしまった人を助けるみたいな流れの方が、探索者にはちょうどいいかもしれません。
演出のヒント
1:屋敷の異常性を際立たせる演出
- 窓の目:昼間でも薄暗い窓に、時折複数の瞳が光る
- 音の演出:風もないのに羽ばたき音、床下を這う音、天井裏の重い足音
2:落下シーンの恐怖演出
- 落下時間を意図的に長く感じさせる描写
- 途中で見える壁の穴から覗く無数の目
- 着地の「柔らかさ」の正体への不安を煽る
3:寄生後の変化演出
- 外見変化:段階的な肥満化、不健康な肌色
- 行動制御:探索者の意図と異なる言動をさせる
- 内面描写:必死の抵抗と無力感のコントラスト



アイホートは契約後の方がとにかく不快です。体に虫がいるという演出。血液の代わりに小さい虫が溢れるという演出。
どこをとっても発狂しない人はいないので、キーパーは少し控えめな描写をするとちょうどよくなるかもしれません。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:mcf様「Eihort by mcf on DeviantArt」


- 素材:インスマス計劃様「クトゥルフ神話生物素材集 リメイク!! SPLL:E108293 – インスマス計劃 – BOOTH」
単品価格:400円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
【関連魔導書】
- 『視界から去るもの』(ローランド・フランクリン)
- 『グラーキの黙示録』
登場作品
- 「嵐の前に」(キャンベル)
- “The Franklyn Paragraphs” (キャンベル)
- “The Pale God” (キャンベル)