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【完全版】シュブ=ニグラス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】シュブ=ニグラス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Shub-Niggurath

外なる神

危険度: ★★★★★★★★★☆

本報告は、「千匹の仔を孕みし森の黒山羊」として知られ、地球において最も広く崇拝された可能性のある宇宙神の一柱についての調査記録である。

形態的特徴として、主に大きな有毒の雲状の塊として現れ、そこからひづめのある足と絶えず動く巻きひげを伸ばす稀にマントを着た人の姿を装うこともある。ルドウィク・プリンらの研究者は、この存在の身体構造と人体との間に何らかの類似性があると指摘するが、その具体的意味は不明である。性別については、通常は女性として言及されるが、「千の雌羊を連れた雄羊」という称号も持ち、『クタート・アクアディンゲン』では両性具有とされる。

人類との関係において最も特筆すべき点は、その広範な崇拝の歴史である。チョー=チョー人、ハイパーボリア人、ムー人、ギリシャ人、クレタ人、エジプト人、ドルイド、サルナス人など、地上の多くの文明で崇拝され、さらにユゴスからのもの、ドール、ヤディスのヌグ=ソスなどの地球外存在からも崇拝を受けてきた。9世紀のシチリアではカルトの重要拠点が存在し、エフェソスではアルテミスの仮面の下で秘密の儀式が執り行われた。北欧神話のヘイドやギリシャのヘカテーとしても崇拝され、現在も世界各地で大地母神として慰撫され続けている。

人類はしばしばこの存在をキュベレー、ガイア、パンといった地上の神々と同一視してきた。特にギリシャではキュベレーとの結び付きが強く、後のローマ世界ではマグナ・マーテル(万物の母)として既知世界全域に崇拝が広がった。これらの表層的な崇拝の下で、真の信奉者たちは秘密の内部カルトを形成し、本来の様式での崇拝を維持してきた。

主たる影響力として、生命に対する腐敗と急成長の両面性を持つ。「シュブ=ニグラスのミルク」に触れることで、人間を含む生物に突然変異や無秩序な成長をもたらすとされる。この創造力は宇宙の創造主、特にアザトースの一様相とも考えられているが、その性質は過剰で発展性を欠き、自己消費的である。崇拝者には血の生贄と引き換えに豊作と多産を与えるとされる。

魔術との関連も深く、多くの魔導書に名前が登場し、儀式や呪文でも頻繁に言及される。特に星に焦点を当てた研究を行う魔女たちは、この存在を通じて宇宙の真の秩序の断片的理解を得ようとしているとされる。「魔女の神」という呼び名は、この関係を単純化しすぎているものの、一定の真実を含んでいる。

山羊との結びつきは、その蹄を持つ外見と多産性に由来すると考えられている新月、特にメイ・イブには、適切に清められた森林の祭壇に招来可能とされる旧き魔術による拘束を受けているようでいて、同時に望む場所への自由な移動能力も持つという矛盾した性質を示す。

現在の住処については複数の説が存在する。アザトースの宮廷に棲むという説、惑星ヤディスの地下でドールの従者と共に暮らすという説、セクレムと呼ばれる別次元に存在するという説が主要なものである。また、南アラビアの地下洞窟にあるハラグ=コラースの都市で、夫とされるハスターの訪れを待っているという説や、ヴーアミタドレス山の地下に棲むという説もあるが、後者についてはアブホースの記述との混同の可能性が指摘されている。

地球への出現は頻繁で、その痕跡を場所や人々に残し続けている。この存在の影響を受けた場所では、動植物に突然の変異や無秩序で急激な成長が観察される。これは「倒錯した豊穣」と表現され、地球上の生命にとって究極的に有害な異質な創造原理の現れとされる。

崇拝者への見返りとして豊作と多産を与えるとされ、特に魔女や魔術師による集会で重要視されている。独りで魔術を実践する者から組織的なカルトまで、様々な形態の崇拝が存在する。これらの崇拝者たちは、この存在を通じて宇宙における本当の秩序の断片を収集しようと試みているという。

【住処】

  •  アザトースの宮廷
  • 惑星ヤディスの地下(ドールと共に)
  • セクレム(別次元)
  • ハラグ=コラースの地下都市(南アラビア)
  • ヴーアミタドレス山の地下(異説)

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
360850600140
POWHPMPDB
35014570+11D6
ビルド移動正気度喪失
12151D10/1D100

行動

  • 攻撃回数:1回
  • 近接戦闘:75%/7D5
  • 捕まえる:75% …対象を捕まえ次のラウンドに体液を吸い取り3D10のSTRを永久に奪う。対象は一度だけ抜け出すチャンスがあり、STRかDEXでクリティカル成功する必要がある。
  • 踏みつけ:75% …半径20m以内にいるSIZが300以下のものを踏みつぶす。回避か跳躍でクリティカル成功しないと11D6のダメージを受ける。

装甲

  • なし。
  • 普通の武器ではダメージを与えない。
  • MPを1消費するとHPを2回復できる。
  • HPが0になれば石化し崩壊する。その後1D100年後に復活する。

魔術

  • 呪文:「真実の一瞥」・「稲妻を呼ぶ」・「ニョグタのわしづかみ」・「動物に命令する」・「植物に命令する」・「呪い」・「治癒」・「人の灌木」・「うじ虫」・「シュド・メルの赤い印」・「破壊」・その他キーパーの任意。

能力

  • 体の変形:シュブ=ニグラスの体は一定ではなく、人型から怪物まで様々な姿をとる
  • 従者を創造する:黒い仔山羊やその他の怪物を創造する
  • 母なるミルク:黒いミルクを飲んだ時の効果は無限の可能性を秘めていて、シュブ=ニグラスの子になることもあれば、身体の病気や傷を癒すこともある
  • 招来:招来するには冒涜的な血の儀式を執り行う必要がある
  • ねじれた自然:シュブ=ニグラスが出現した場合、その周りの動物や植物などの生態に影響を及ぼし、変化させることがある

恩恵

  • シュブ=ニグラスの子への変化:シュブ=ニグラスに触れられるか、黒いミルクを飲んだ人間はその子となる
  • 変化:身体の一部にシュブ=ニグラスと同じ特徴が現れる
  • 精神交換:黒い仔山羊など、シュブ=ニグラスの創造物に精神を転移させることができる
  • 動物や植物への命令:動物を従えることができ、また植物には瞬時に成長をさせることもできる
  • 増強:一時的に体を強化する呪文を授かる

原作「最後の実験」では

  • 名前のみの登場で詳細不明。

シナリオ導入例

1.:農村異常成長型

  • 特定の農村で発生する作物の「異常な豊作と奇形化」現象
  • 収穫した野菜や果物に人間の歯や眼球が混入している報告
  • 地元住民の多産化と新生児に山羊の特徴を持つ出産の増加

2:考古学的発見型

  • 地中海沿岸で発見された古代神殿群と「キュベレー崇拝の真実」
  • 発掘現場で働く考古学者たちが「原因不明の妊娠」を報告
  • 神殿地下から発見される「生きた肉塊」と無数の蹄の痕跡
筆者:たいき

知名度はクトゥルフ並みですが、存在が偉大過ぎてシナリオだと扱いづらいかもしれません。シュブ=ニグラスらしい出産の能力を活かして、冒涜的な生物が登場させると、本人が登場しなくても面白くなりそうです。

演出のヒント

1:異常成長と腐敗の演出

  • 植物の変異:一夜で巨木化した野菜、人間の内臓のような形状の果実
  • 動物の変化:山羊の角を生やした牛
  • 腐敗の加速:成長と同時に進行する異常な腐敗

2:多産性の不気味演出

  • 出産の異常:通常の3倍速の妊娠期間、一度に10人以上の多胎出産
  • 生命力の過剰:死産のはずが蘇生する新生児
  • 母性の歪曲:産婦が自分の子供を食べたがる衝動を訴える

3:山羊的要素の演出

  • 蹄音の恐怖:夜中に響く石畳を叩く無数の蹄音
  • 角と蹄の成長:崇拝者の額から小さな角が生える
  • 山羊の群れ:人間のような知性を持つ山羊の群れ
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

本人が動くというより子供を産むだけの存在ですが、動きだすということはそれだけ怒っていて多くの被害がでるのでしょう
大きすぎて足だけの報告が多いが、足から上を見ない方が幸せだろう

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

ヨグ=ソトース
配偶者
ナグとイェブ
イグ
兄弟かつ配偶者説
ハスター
配偶者説
クトゥルーの落とし子
ドール
従者

【関連魔導書】

  • 『クタート・アクアディンゲン』
  • 『屍食教典儀』
  • 『魔術師の知恵』
  • 『ネクロノミコン』

登場作品

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