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【完全版】ウーツル=ヘーア│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】ウーツル=ヘーア│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Ut'ulls-Hr'ehr

グレート・オールド・ワン

危険度: ★★★★★★★☆☆☆

本報告は、「ニア=ウブ=ヘーア」としても知られるウーツル=ヘーアについての調査記録である。

ウーツル=ヘーアは、その性質や起源について多くの議論が続く謎めいた存在である。現在の主流な見解ではグレート・オールド・ワンに分類されているが、その真偽については未だ確定的な結論に至っていない。

形態的特徴については、既知の資料からは明確な記述を見出すことができない。しかし、シュブ=ニグラス同様の「ミルク」を分泌する特徴が報告されている。この液体は『星の財宝』(1658年、ウィーン、著者不明)によれば、傷を癒し洞察力を授ける「驚くべき」性質を持つとされる。ただし、その影響は「甚大」とされ、「強固な不屈の精神」を持つ者のみが摂取を検討すべきとの警告が記されている。

住処については、くじら座のミラ(オミクロン星)近傍に存在すると考えられている。

特筆すべき点として、この存在は招来されない限り自身の棲みかを離れることができないという制約を持つと推測されている。

起源については複数の仮説が存在する。シュブ=ニグラスもしくはイブ=ツトゥルから生み出された存在とする説、シュブ=ニグラスの化身とする説、何らかの外なる神の産物とする説、さらにはグラーキの双子であるとする説などが提唱されている。『ネクロノミコン』においては、シュブ=ニグラスへの儀式の文脈で「ニア=ウブ=ヘーア」という名称が言及されており、これをウーツル=ヘーアの別名とする解釈も存在する。

地球との関わりについて、記録された招来の事例は極めて少ない。注目すべきは、これらの招来が必ずしも意図的なものではない可能性が指摘されていることである。特に、シュブ=ニグラス(黒き母)の招来を目的とした儀式において、予期せずウーツル=ヘーアが出現したとの報告が存在する。この現象について、一部の研究者は、ウーツル=ヘーアが他の存在への招来儀式を「乗っ取る」能力を持つ可能性を指摘している。この行動は、地球のカッコウに似た寄生的な手法で自身の影響力を拡大し、崇拝者を獲得する戦略である可能性が示唆されている。

ウーツル=ヘーアの究極的な動機や目的については、確実な証拠が著しく不足している。何らかの「旧き」拘束下にあり、その解放と自由を求めているとする仮説も存在するが、現時点では推測の域を出ない。

【住処】

  • くじら座ミラ(オミクロン星)近傍

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
26032536550
POWHPMPDB
1007020+7D6
ビルド移動正気度喪失
84/泳ぐ61D6+1/2D10+2

    行動

    • 攻撃回数:1回
    • 近接戦闘:90%/3D6+感染 …角で突かれた対象はハードのCON対抗に失敗すると、その部位が腐っていく。この感染を止める術はないとされているが、呪文もしくはウーツル=ヘーアのミルクを飲むと抑えられるかもしれない。
    • 押しつぶし:20m/7D6 …回避に失敗した範囲内の対象を押しつぶす。

    装甲

    • 表面:20ポイント・下面:2ポイントの皮膚。
    • 特定の魔術を付与した武器なら装甲を無視してダメージを与える。
    • HPが0になれば爆発し、ミルクがあたりにかかる。その後4D100+1000年後に復活する。

    魔術

    • 呪文:「記憶を曇らせる」・「月棲獣との接触」・「支配」・「精神衝撃」・「吸魂」・その他キーパーの任意。

    能力

    • ウーツル=ヘーアのミルク:ウーツル=ヘーアのミルクを飲めば、どんな傷も癒えるが、幻覚を見ることがあり、また、飲んだ者の体には不気味な腫れ物ができ、そこから同じようにミルクが出るようになる。

    恩恵

    • 不滅:致命傷でもすぐに塞がるほどの驚異的な回復力が身につく。
    • 変身:成りたい人間の血を飲むと、その人の姿に変身できる。

    原作「クトゥルフ神話TRPG」では

    • TRPG出身なため原作はない。

    シナリオ導入例

    1:儀式乗っ取り型

    • カルト教団がシュブ=ニグラスの招来儀式を計画していることを探索者が事前に察知
    • 探索者は儀式阻止のために潜入捜査や直接介入を試みる
    • 儀式の最中に探索者が乱入するが、儀式は既に完了段階で阻止が間に合わない
    • 予期していたシュブ=ニグラスではなくウーツル=ヘーアが出現し、教団員も探索者も混乱
    • 探索者は未知の存在への対処と、パニックを起こした教団員への対応を同時に迫られる

    2:治癒奇跡事件型

    • 探索者の知人・友人・家族が不治の病で苦しんでおり、その治療のため怪しげな「奇跡の薬」の情報を追い始める
    • または医師である探索者が患者から「星の財宝」に記された治癒法について相談される
    • 探索者は大切な人を救うため、あるいは医学的興味から調査を開始
    • 調査の過程で古い文献や怪しげな売人、秘密結社などに行き当たる
    • 最終的にミルクの正体とその代償を知り、救いたい人との間でジレンマに直面
    筆者:たいき

    一番の特徴である黒いミルクは登場させたいとこ。知人が致命的なダメージを受けて、ミルクを飲ませるかどうか選ばさせるのもエモいです。

    演出のヒント

    1:正体不明存在の恐怖演出

    • 断片的描写:「巨大な影」「触手のようなもの」など部分的な特徴のみ提示
    • 感覚の混乱:視覚・聴覚・触覚で異なる印象を与えて認識を困難にする
    • 想像への委託:明確な姿を示さずプレイヤーの恐怖心に形を決めさせる
    • 一貫性の欠如:目撃証言や記録で形態が毎回異なることを強調

    2:儀式乗っ取りの段階的演出

    • 初期の順調進行:予定通りの儀式として始まり安心感を与える
    • 微細な違和感:予期した反応と僅かに異なる兆候を少しずつ提示
    • 決定的な逸脱:明らかに別の存在が現れたことを劇的に明かす
    • 混乱の拡大:術者も予想外の事態に困惑し制御を失う様子を描く

    3:治癒ミルクの誘惑と堕落演出

    • 確実な効果:最初の使用では確実に傷や病気が治癒することを示
    • 段階的依存:効果への依存が徐々に精神的・肉体的に現れる
    • 代償の顕在化:治癒の代わりに異常な洞察力や身体変化が起こる
    • 選択の重圧:救いたい人がいる状況でミルクを使うかの究極の選択
    筆者:たいき

    呼んでもないのに顕現されて、でもミルクという恩恵がある。このままいてもらって搾取するのが人間らしい行動かもしれません。

    イラスト・ファンアート・素材紹介

    三日月のような頭を持つという特徴で生物を描くのは難しそうだが、そこを収めて不気味に蠢く様子が伝わる

    他の神話生物・魔導書との関連

    【相関】

    シュブ=ニグラス
    (親または本体説)
    イブ=ツトゥル
    (親説)
    グラーキ
    (双子説)

      【関連魔導書】

      • 『ネクロノミコン』(ニア=ウブ=ヘーアの名での言及)
      • 『星の財宝』(1658年、ウィーン、著者不明)

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