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【完全版】イドラ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】イドラ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

yidhra

外なる神

危険度: ★★★★★★★★☆☆

本報告は、災厄の母「夢の魔女」として知られるイドラについての調査記録である。

イドラは地球上の最初の生命と共に誕生したとされる古代の存在である。その起源については、地球がまだ若かった時代に、エーテルの流れに乗って星々から降下した未成熟の幼生である可能性が指摘されている。

形態的特徴として、イドラは原形質の存在であり、捕食した生物のいかなる姿も模倣することができる。数千年をかけて成長と発達を遂げ、地球の生物を消化し解析することで、生存に必要な特性を獲得してきた。その姿は多様であり、人間から怪物、さらには神のような姿まで、ニャルラトテップの多様な描写に匹敵する変幻自在の存在である。

現在、イドラは自らを分割して複数の独立した化身として存在していると考えられている。これらの断片は心霊的なつながりを保ち、巨大な共有意識を形成している。記録された主要な化身の中で、最も広く知られているのは、イ夫人(災厄の母)、イハス、ヨランダの三体である。イ夫人は美しく着飾った人間の女性の姿を取り、陶磁器人形のような白く滑らかな肌に血のように赤い唇、アーモンド形の黒い瞳、そしてかみそりのような黒い長い爪を特徴とする。イハスは燃える瞳と牙の並んだくちばしを持つ巨大なハゲタカの姿をしており、ヨランダは背の高いすらりとした人間の女性で、うりざね顔と光り輝く灰色の瞳を持つ。

イドラは常に新鮮な遺伝子を必要とし、飢餓状態に陥った部分はしなびて崩壊し、不活性の原形質の液だまりとなる。その本質は一部の研究者からはシュブ=ニグラスに匹敵する地母神として、また別の研究者からは病のような存在として捉えられている。

人類との関わりにおいて、イドラは世界各地でカルトを設立し、その影響力を拡大してきた。チャド、ラオス、ミャンマー、シュメール、テキサス、ニューメキシコなど、広範な地域で活動が確認されている。信者たちには豊作が約束され、中には永遠の生命を得た者もいるという。しかし、イドラとの密接な接触は双方向の影響をもたらし、イドラは崇拝者に似てくると同時に、崇拝者もまたイドラに似てくるという特異な現象が報告されている。その結果、カルトの中枢メンバーはイドラの真の姿を認識できるようになり、徐々に残虐な性格を帯びていくとされる。

イドラの究極的な目的については、全ての生命をイドラに変えるまで現世の命を捕食し続けることではないかとする説がある。特に注目すべきは、クトゥルフ神話の他の存在をも捕食し再構築できる可能性が指摘されていることであり、もしこれが事実であれば、地球上の宇宙的存在に対する重大な脅威となりうる。

【住処】

  • 現在:世界各地に分散(チャド、ラオス、ミャンマー、シュメール、テキサス、ニューメキシコなど)
  • 過去:地球(最古の生命と共に誕生)

ステータス(真の姿・7版)

STRCONSIZDEX
300600260200
POWHPMPDB
3008660+6D6
ビルド移動正気度喪失
7142D10/1D100

行動

  • 攻撃回数:6回(近接戦闘)/1回(食らうか転がる)
  • 近接戦闘:100%/3D6 
  • 食らう:100% …対象を1D4ラウンド食らいつき吸収する。対象が抜け出すにはSTRかDEXでクリティカル成功する必要がある。しかしチャンスは1ラウンドのみで、2ラウンド目に行くと脱出できなくなる。抜け出せた場合、1D8のダメージと、CONとAPPを10ポイントずつ永久的に減らす。
  • 転がる:100%/6D6 …回避に失敗した対象にダメージを与える。

装甲

  • なし。
  • 通常の攻撃ではダメージを与えられない。
  • MPを1消費するとHPを3回復できる。
  • HPが0になればイドラの結合が解け、形を崩し溶けていく。真の姿のイドラは復活することができない。

魔術

  • 呪文:「苦痛の障壁」・「真実の一瞥」・「敵の拘束」・「農作物を枯らす/農作物に祝福を与える」・「稲妻を呼ぶ」・「病をもたらす」・「ショゴスに命令する」・「呪い」・「被害をそらす」・「支配」・「犠牲者を魅了する」・「空中浮遊」・「萎縮」・「セイレーンの歌声」・その他キーパーの任意。

能力

  • 吸収:イドラは食べた生物の特徴を取り込み、その容姿に変化させることができる。
  • 分裂と変化:イドラの遺伝子はそれまでに食した生物を記憶し、それらの生物に変化できる。
  • 潜むもの:イドラは食べたものを「潜むもの」という吸血鬼として生み出す。

恩恵

  • つながり:イドラの肉を食べたものは精神的、肉体的にイドラとつながり、イドラが傷つくと、恩恵者にも影響が出る。
  • 幻覚:一時的な幻覚を作り出すことができる。
  • 不死:イドラと物理的に融合したものは、容姿が変わることもあれば、そのままの姿で生まれ変わることもあり、栄養が尽きない限り永遠の命が手に入る。

原作「Where Yidhra Walks」では

  • イドラは地球誕生時から存在する最古の存在で、食べた生物のDNAを解析してその姿に変身する能力を持っている
  • 長い間地球上の様々な生物を捕食してきた
  • 現在は多数の姿に変身でき、人間社会に溶け込んでいる場合もある
  • 主人公が悪天候でミランドという村に泊まることになる
  • そこでヨランダというアジア系女性に変身したイドラが、村の指導者として君臨していた
  • 村にはまともな村人と、信仰に染まった村人が混在していた
  • 主人公は儀式を目撃してカルトに入れられそうになる
  • カルティストの中に、爬虫類の特徴を持った顔の人間を目にする
  • 味方をしてくれた村人の手助けで、主人公は村からの脱出に成功した
筆者:たいき

村の中に味方がいるのが心強くて、主人公は結構危機に陥ってたけど、どこか安心して読めました。

シナリオ導入例(ヨランダの姿)

1:連続失踪事件型

  • 都市部で特定の地域から人々が次々と姿を消す事件
  • 失踪者の中に動物学者、生物学者、医師などが多数含まれる
  • 調査を進めると、失踪者たちが最後に接触した共通人物が浮上
  • その人物は毎回微妙に容姿が違い、実はイドラが変身を続けている

2: 学術機関侵入型

  • 大学や研究所で研究者たちの行動が急に変わり始める
  • 新任の研究者が加わってから、研究内容が生物学的実験に偏向
  • 実は新任者がイドラで、人間の生物学的研究を進めている
  • 研究データを狙っているのか、研究者自体を狙っているのかが不明
筆者:たいき

イドラはいくつかの化身を持っています。どの化身を登場させるか、一番使いやすそうなのは、やはり人型のヨランダとイ夫人でしょうか。彼女が脅威というよりカルト教団が怖いよねってシナリオになりそうです。

演出のヒント

1:完璧すぎる人物の不気味さ演出

  • 理想的すぎる外見:あらゆる魅力的特徴を兼ね備えた容姿
  • 万能な才能:どんな分野でも専門家レベルの知識を披露
  • 感情の微妙な違和感:人間らしい感情の揺れや矛盾がない
  • 記憶の曖昧さ:過去の詳細について答えが一貫しない

2:DNA解析・変身能力の恐怖演出

  • 段階的変化:接触した人物の特徴が徐々に現れてくる
  • 記憶の継承:食べた人物の知識や記憶まで利用する
  • 不完全なコピー:完璧に見えて微妙な違いがある不気味さ
  • 複数人格:複数の人物の特徴が混在する混乱

3:村社会での支配演出

  • 段階的洗脳:村人が徐々にイドラの影響を受ける過程
  • 内部分裂:正気を保つ村人と洗脳された村人の対立
  • 外部遮断:村を外界から隔離する巧妙な仕組み
  • 疑似家族:イドラを中心とした歪んだ共同体の形成

4:脱出時の追跡演出

  • 村全体の敵対:洗脳された村人全員が追跡者となる
  • 地形の利用:山間部という閉鎖環境での逃走劇
  • 変身追跡:イドラが様々な姿で追いかけてくる恐怖
  • 味方の犠牲:助けてくれた村人の運命への不安
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

美しいはずの人間の顔が崩れる瞬間に狩人らしいものを感じる
タイトルに笑うが、真の姿を見せてるイドラはたしかにはっちゃけているだろう

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

シュブ=ニグラス
比較対象
ニャルラトテップ
比較対象

【関連魔導書】

  • 『黒の経典』
  • 『太古の恐怖』
  • 『クタート・アクアディンゲン』
  • 『スラング年代記』

登場作品

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