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【2025年版】「無名都市」入門|あらすじ・登場人物:おすすめ版まとめ

【2025年版】「無名都市」入門|あらすじ・登場人物:おすすめ版まとめ

無名都市 The Nameless City

ハワード・フィリップ・ラヴクラフト 全集3 新訳2 真1

本作は5,070語の短編小説で、1921年1月中旬から下旬ごろの執筆された。初出1921年、『Wolverine』の11月号、再掲は1936年、『Fanciful Tales』の秋号、1938年、『Weird Tales』の11月号である。単行本初収録は『The Outsider and Others』で、校訂版が『Dagon and Other Macabre Tales』、詳註版が『The Dreams in the Witch House and Other Weird Stories』に収録されている。

この物語のほとんどがラヴクラフトの夢に基づいており、その夢の着想源はロード・ダンセイニの『世界の涯の物語』中の「音ひとつない奈落の闇」という一節や、彼の所有していたブリタニカ百科事典第9版の「アラビア」の項目から来ていた。また、後の「備忘録」に自身の見た夢の記述があり、「奇怪な地下室にいる男——青銅の扉を押し破ろうとする——流れ込んできた水に巻き込まれる」とある。

アブドゥル・アルハザードが初登場した作品だが、まだこの時点では『ネクロノミコン』の著者であるという設定はない。また、本作の構想は『狂気の山脈にて』に再利用された。

  • アブドゥル・アルハズレッド:初回作
  • 爬虫類のような生物:蛇人間と同類かは不明

遥か遠きアラビアの砂漠の彼方に、忘れ去られた無名の都市があった。一人の勇敢な考古学者が、その神秘に満ちた廃墟を目指していた。この都市こそ伝説的な詩人アブドゥル・アルハザードの夢に現れた場所と同一だった。

都市に足を踏み入れた瞬間、考古学者は奇妙な違和感に襲われる。建物の天井が異様に低く、人間が直立して歩くことすらままならない。まるで、はるかに小柄な、あるいは這うような生き物のために造られたかのようだこの非人間的な建築様式に、考古学者の心は激しく動揺する。

身をかがめ、ときに這いつくばりながら探索を続ける考古学者。迷宮のような街路を進むうち、彼は地下に隠された古代の寺院を発見する。薄暗い石室の中、彼の目に飛び込んできたのは、不気味な装飾が施された一つの箱。

箱に触れる考古学者。開けるべきか、それとも置いていくべきか。しかし、真実を求める探究心が、ついに決断を下させる。

おそるおそる蓋を持ち上げた瞬間、彼の目に映ったものは―。

この瞬間から、考古学者の運命は、そして人類の認識さえも、大きく変わろうとしていた。アラビアの砂漠に眠る古の都市が秘めていた真実、そしてかつてこの地に住まった得体の知れない種族の正体とは、果たして何だったのか。

現在入手可能な主要な邦訳版として、以下の収録版がある:

筆者:たいき

初読者には新訳クトゥルー神話コレクション2がおすすめっ。現在、邦訳版はこの書籍にのみ収録されています。

新訳クトゥルー神話コレクション2:紙版/電子版

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