
【完全版】ユー=メンティス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Yu-meng'tis
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★★★
本報告は、「下劣なるもの」「むさぼり続ける怪物」として知られるユー=メンティスについての調査記録である。
この存在は、イゴーロナクと何らかの血縁関係にあるとされ、時折漠然とした類似性が観察されている。一部の研究者はイゴーロナクの化身や別の姿であると示唆する一方、『苦痛の黄本』では別個の存在としながらも、一種の双子のような関係性を示唆している。
形態的特徴として、人間との接触時には半人の姿を取ることが知られている。この姿は人間にとって魅力的、あるいは少なくともたくましく興味をそそるものとして映るとされ、これは獲物を魅了し引きつけるための一種のおとりと考えられている。イゴーロナクと同様、真の姿は人間の崇拝者からは隠されているとされる。
能力の特徴として、他の生物に対して強力な影響力を持つ。特に、動物や人間を暴食マニアに陥らせ、見たものすべてを食らい尽くすことしか考えられない状態に追い込む力を持つ。また、『苦痛の黄本』によれば、自身の肉の一部を食らわせることで他者に憑依する能力を有するという。
この存在は「不浄の間」と呼ばれる場所に封じ込められている。これは世界から切り離された「完全に囲まれた空間」であり、ユー=メンティスを制限するために作られた小異次元空間だと考えられている。この隔離空間には通路が存在し、そこを通じて接触が可能であると同時に、ユー=メンティス自身も時として短期間だけ現実世界に侵入することができる。
この存在への崇拝は特に忌まわしいものとされる。選ばれた信者は隔離され、「生け贄として熟する」まで強制的に食事を与えられ続ける。こうして肥満した生け贄は、顕現したユー=メンティスの餌食となる。
一説によれば、この存在を封じ込めている牢獄の次元は、そのむさぼり続ける性質から万物を平らげてしまうことを防ぐために作られたという。際限のない捕食により巨体が成長を続けた場合、最終的に牢獄の「壁」が耐えられなくなる可能性も指摘されている。
【住処】
- 「不浄の間」(小異次元空間)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
120 | 600 | 125 | 30 |
POW | HP | MP |
140 | 72 | 28 |
DB | ビルド | 移動 |
+2D6 | 3 | 5 |
正気度喪失(憑依された人間を見た時) | 正気度喪失(人間に化けてる時) | 正気度喪失(真の姿) |
1/2D10 | 1/1D10+1 | 1D6/4D10 |
行動
- 攻撃回数:1回
- 近接戦闘:60%/2D6 …ユー=メンティスの体の大きさによってダメージも変動。最大8D6。
- 噛みつく:70%/3D6
装甲
- なし。
- 食事をした際、SIZ10毎にHPが1回復する。
- HPが0になれば爆発して臓物を飛ばす。その後5D100年後に復活する。
魔術
- 呪文:「肉怪物に命を吹き込む」・「吐き気の魔法陣」・「記憶を曇らせる」・「支配」・「クトゥルフのわしづかみ」・「精神的従属」・「夢を送る」・「胆汁の噴出」・その他キーパーの任意。
能力
- 成長:拘束されているため、その大きさに上限があるが、地上に顕現した時は際限なく巨大化する。
- 憑依:ユー=メンティスの肉を食べた者の体に最大七日間憑依できる。
恩恵
- 食べたものになる:生き物の全身を食べると、その姿に変身できるようになる。
- おぞましき治癒:生きた人間を食べると、体の傷が癒える。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「クトゥルフ神話TRPG」では
- なし。
シナリオ導入例
1.:牢獄次元突破型
- 物理学研究所で次元間の実験中に、予期せぬ空間の裂け目が発生する
- 裂け目から異臭と共に人影が現れ、研究者たちと接触する
- 接触した研究者が異常な食欲を示し、実験動物や食料を貪り食い始める
- 施設内で原因不明の「通路」らしき空間が、複数箇所で観測される
2:憑依感染拡大型
- 高級レストランで提供された「特別料理」を食べた客が異常行動を起こし始める
- 感染者たちが見境なく食物を求めて暴走し、市内で食料品店の襲撃が多発する
- 探索者は医師、保健所職員、またはレストラン関係者として事態に対処する
- 料理に混入された「未知の肉片」が、ユー=メンティスの体組織であることが判明する

「食」に関する邪神は唯一です!。日常に潜む恐怖が描きたい人向けの邪神で、食事とかご褒美みたいに考える人が多いので、間違いなく油断してくれます。
演出のヒント
1:魅惑的外見の罠演出
- 理想的な恋人像を投影する魅力
- 魅力に抗えない強制的な好感と理性の葛藤
2:暴食衝動の狂気演出
- 理性を失い食物以外何も考えられなくなる
- 食べ物を見ると我を忘れて飛びかかる動物的な行動
- 満腹感や味覚を失い、ただ口に入れ続ける
- 食料を巡る感染者同士の争いと、共食いへの発展
3:憑依肉片の生理的嫌悪演出
- 人間の肉とは明らかに異なる異質な食感と味
- 飲み込んだ瞬間から始まる内側からの侵食感
- 自分の意志とは無関係に動く体と食欲の暴走



異常な食癖は色々あるかもしれませんが、一番の禁忌は間違いなくカニバリズムです。ゾンビとは違う、狂っているだけの人間が同じ人間に向ける食欲は間違いなく恐怖です。
イラスト・ファンアート・素材紹介
1枚もないだと…イゴーロナクはあんなに人気なのに…。
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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イゴーロナク 血縁または同一存在 |
【関連魔導書】
- 『苦痛の黄本』
登場作品
- クトゥルフ神話TRPG