
【完全版】ハスター│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Hastur
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★★☆
本報告は、「名状し難きもの」「星間宇宙を歩くもの」として知られるハスターについての調査記録である。
形態的特徴として、その姿には諸説が存在し、確定的な記述は困難である。精神的にしか感知できない不可視の力として描写されることもあれば、200フィートの触手を持つ二足歩行のトカゲとして描写されることもある。この存在に取り憑かれた犠牲者の特徴として、皮膚のうろこ状化や四肢の骨格の消失が報告されている。
複数の形態で同時に存在することが可能とされ、その中心に「ハスター」と呼ばれる存在が位置すると考えられている。これらの形態はそれぞれが独自の神話や伝承を形成しながら、この存在の意図を異なる方法で具現化しているとされる。その名を口にすることは注意を引き、狂気と死をもたらすと伝えられている。
サマリア、アトルマ、ハイボリアなどで古くから崇拝の対象とされ、現在はチョー=チョー人とクンヤンの人々による崇拝が確認されている。その崇拝形態は他のグレート・オールド・ワンのカルトと比較しても特に忌避すべきものと評価されている。
当該存在は現在、旧きものたちによって幽閉された状態にある。その幽閉場所は多次元的な性質を持ち、アルデバラン近くの暗い恒星やハリ湖、カルコサの街など、複数の場所や時代に同時に存在している可能性が指摘されている。
大いなるクトゥルフとの関係性については複数の説が存在する。血族関係、特に兄弟関係を示唆する説がある一方で、両者間に強い敵意が存在するとする説も存在する。また、ジャコビ・ティンによる「生ける終末」仮説では、この存在を宇宙のエントロピーの具現とし、全ての神々を含む存在の終焉をもたらす存在として位置付けている。
【住処】
- 現在:アルデバラン近傍の暗黒星(幽閉状態)
- 関連地点:ハリ湖、カルコサ
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
600 | 1000 | 500 | 150 |
POW | HP | MP | DB |
175 | 150 | 35 | +13D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
14 | 16/泳ぐ24/飛行25 | 1D10/1D100 |
行動
- 攻撃回数:3回(かぎ爪、触手)・1D3回(触手でたぐり寄せる)
- 近接戦闘:100%/6D6
- たぐり寄せる:60% …毎ラウンド10m以内にいる1D3人の対象者を捕まえる。捕まった対象を押しつぶして13D6のダメージを与える。もしくは1D4ラウンドの間押さえ込まれ1D6のダメージを与える。その後幸運ロールに成功すれば解放される。
装甲
- 30ポイント。
- 毎ラウンドHPが5回復する。
- HPが0になれば爆発して腐敗したしぶきを飛ばす。その後2D10時間後に復活する。
魔術
- 呪文:「真実の一瞥」・「疫病の到来」・「吐き気の魔法陣」・「若さを吸い取る」・「液状化」・「精神弱体化空間」・「死体に憑依する」・「憑依」・「精神力吸引」・「萎縮」・「ハスターの歌」・「ビヤーキーの召喚」・「膨れの責め苦」・「枯落の接触」・「名状し難き誓約」・「破壊」・その他キーパーの任意。
能力
- 体の変形:姿が一定ではなく、作り替えることができる。
- けがれ:ハスターと遭遇、もしくは名前を呼んだものは、けがれの種子に犯され、体が腐食していく、その際誓いを受け入れた場合、ハスターの信者になるが、それまで腐敗した部分はそのままである。
- わが名を唱えよ:ハスターの名前を呼ぶたびに、ハスターに気づかれ顕現したり、悪夢を見せられたりする。
- 感覚をゆがめる:ハスターと接触した人間は五感が狂う。
- 地球への顕現:ハスターの実体はアルデバランが地平線よりも上の時だけ顕現できる。
恩恵
- 異界の知識:ハスターに関する呪文を授かる。
- 協力者:ビヤーキーや落とし子など、従者と精神を交換できるようになる。
- 名状し難き誓い:ハスターと誓いを交わした信者は、その姿が信奉者へと変わる。
- 骨なし:骨を溶かして肉の塊になり、隙間や穴などを通れるようになる。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「ハスターの帰還」では
- 屋敷の主エイモス・タトルがハスターと契約を結ぶ
- エイモスがハスターの地上帰還のための安息所としてトンネルを掘っていた
- 1928年エイモスがハドン弁護士に看取られて死去
- ハドン弁護士がエイモスの遺体が魚のようにおぞましく変質する様を目撃し、急いで埋葬
- エイモスの遺言で屋敷と書物の破壊が指示されていたが、甥のポールが遺言を無視
- ポールが屋敷で生活を始め、エイモスの禁断の知識を継承
- エイモスの墓から遺体が消失し、ポールが安息所が人間の身体であることに気づく
- ポールがハドン弁護士に命じて屋敷を爆破
- アルデバランが昇ると屋敷の残骸から二体の怪物が出現
- ベテルギウスが昇るとすさまじい光が怪物達を海と宇宙へ放り捨てる

クトゥルフとハスターの両方が顕現して、旧神に退治させられるというドッカンバトルが見れる作品で面白かったです。
邪神と聞くと絶対的な存在で勝てる気がしませんが、旧神は一発で2体を沈めていたので、明確な力量差がありました。
シナリオ導入例
1.:禁断の名前連鎖型
- 学術会議で古代言語学者が「ハスター」の名前を口にしてしまう事故が発生
- その瞬間から学者の皮膚にうろこ状の変化が現れ、精神状態が急速に悪化
- 学者と接触した研究者たちも次々と同様の症状を呈し、感染的に拡散
- 彼らは無意識に「名状し難きもの」への崇拝を開始し、禁断の儀式を計画
2:クトゥルフ対ハスター型
- ルルイエとカルコサの同時浮上により、クトゥルフとハスターの古代対立が再燃
- 両勢力のカルト信者が世界規模で戦争を開始し、人類文明が戦場と化す
- 兄弟神同士の戦いが宇宙規模の破壊をもたらす
- 探索者たちは中立的立場から両勢力の仲裁を図るか、人類の生存策を模索
- 「生ける終末」仮説に基づき、ハスターの勝利が全存在の終焉を意味する可能性

ハスター信仰してるカルティストが骨のない肉塊に変身したりすると、もう心も体も人間ではない、話は通じないんだなと察しがつきます。
演出のヒント
1:名前の禁忌性と危険演出
- 「ハスター」の名を口にした瞬間の空気の変化と不吉な予感
- 名前を聞いた者から段階的に広がる精神汚染の連鎖反応
2:多形態同時存在の混乱演出
- 同一存在が複数の全く異なる姿で同時に目撃される認識の混乱
- 観測者の精神状態により認識される形態が変化する
3:肉体腐敗変異の段階描写
- 手足の骨が溶けるように軟化し、関節が異常な方向に曲がる描写
- 変異者が人間の食事を受け付けず、腐肉や異質な栄養を欲する
- 変異の進行と共に人間的思考が失われ、異質な知識を語り始める



名前を呼んではいけないという縛りがTRPGの性質状厳しいかもしれません。
小説「黄衣の王」で、ハスター単体がどういう風に人間に干渉してくるのかを見るといいかもっ。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:JakubJagoda様「The King in Yellow by JakubJagoda on DeviantArt」


- 素材:いむらぼTRPG様「クトゥルフ神話生物素材「黄衣の王」SPLL:E192027 – いむらぼTRPG – BOOTH」
単品価格:600円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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ビヤーキー 配下 |
【関連魔導書】
- 『黄色の写本』
- 『古代ルーンの伝説』
- 『魔術師の知恵』