
【完全版】セベク/ソベク│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Sebek/Sobek
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★☆☆☆☆☆
本報告は、古代エジプトの神ソベクとの同一視を利用し、人間とクロコダイルを組み合わせた姿で現れる異形の存在についての調査記録である。
形態的特徴は、通常のロイガー族が示す「大トカゲ」の姿ではなく、人間とクロコダイルを組み合わせた姿を取る。この姿は、エジプト神話のソベクからヒントを得たか、最初に遭遇した人間の思考から引き出した可能性がある。ロイガーの突然変異や年経た個体である場合、本質的には非物質的存在だが、意思により物理的な姿を取ることができるとされる。
その正体については、下級のオールド・ワンとする説と、ロイガー族との関連(突然変異または特異個体)を指摘する説が存在する。いずれの場合も、強大な力と卓越した狡猾さを持つ存在として認識されている。
古代エジプトにおいて、意図的にワニ頭の神ソベクと同一視されることで、人類の信仰体系に深く浸透した。この「変装」により、神々への信仰や生贄、さらには崇拝者の生命力自体を糧とすることが可能となった。クレメンタイン・ウィルソンの言葉を借りれば「セベクの変装は完璧であり、人間を食らって肥え太った」という。
古代エジプト文明の衰退と時を同じくして、より豊かな餌場を求めて地球を離れたとされる。現代における出現は極めて稀少だが、銀河のどこかにある食料源が尽きれば、再び地球に戻り、人類の中に相応の地位を得る可能性が指摘されている。
ルドウィク・プリンの『妖蛆の秘密』には、セベクを一時的に呼び出す儀式が記されており、この儀式を逆に行うことで退散させることも可能とされる。同書はまた、本来のセベクがロイガーの進化や突然変異である可能性を示唆しながら、人間の信仰体系への順応について論じている。
【住処】
- 現在は銀河のどこか(推定)
- 過去は古代エジプト
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
265 | 325 | 95 | 125 |
POW | HP | MP | DB |
135 | 45 | 27 | +3D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
5 | 14 | 1/1D8 |
行動
- 攻撃回数:1回(無形の姿)/2回(半身の姿)/4回(怪物の姿)
- 近接戦闘:80%/3D6
- 渦巻攻撃:一定の範囲に爆縮を起こす。直径5mに対してMP20が必要。範囲内にいる対象に1D100のダメージを与える。
装甲
- 4ポイント(半身の姿)、8ポイント(怪物の姿)
- MPを1消費するとHPが1回復する。
- HPが0になれば塵になる。その後1000年後に復活する。
魔術
- 呪文:「ミイラに命を吹き込む」・「人に見せかける」・「敵の拘束」・「砂嵐を起こす」・「ロイガーとの接触」・「スフィンクスの子の創造」・「恐怖の注入」・「分かれの砂」・その他キーパーの任意。
能力
- 動物に命令する:50m以内のいかなる動物にも命令ができる。
- 生命力を食らう:20m以内の人間から魔力を吸収する。
- 出現:顕現する時、クロコダイルの頭を持つ姿か、全身がクロコダイルの姿で現れる。
- 精神的接触:32km以内の者に思考を送れる。
- 復活:通常とは違うセベクのみのやり方で下級の存在を復活させる。
- 念動力:60m以内のものを動かすことができる。
恩恵
- 仮面:恩恵者は頭をクロコダイルに変えることができ、また一時的なら全身も変えられる。
- 爬虫類に命令する:トカゲやクロコダイルに命令ができる。
- 不死:恩恵者は死ぬことがなくなる。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「セベクの秘密」では
- 遥か昔、エジプト宗教界での影響力を拡大させた
- 4体の神官ミイラが発見されると発見者を全員死に至らしめ、その超常的な力で呪いの実在性を証明する
- オカルト結社「柩クラブ」がミイラを入手した際も運輸中に死者を発生させ、メンバー間での意見対立を引き起こした
- 現代のニューオーリンズ謝肉祭で鰐の頭を持つ神官の姿で登場する
- 棺クラブがミイラの処分を検討していた男を鋭い顎で喉に噛みついて殺害する
- 主人公がその皮膚に触れることで、仮面ではなく生きた存在であることがわかり逃げ出す

エジプト神話とクトゥルフ神話は相関があるのですが、クトゥルフ神話が基本触手のせいで、人型のセベクが出ると別の神話生物じゃないかと疑ってしまいます。
シナリオ導入例
1.:偽装神格復活型
- 現代の信仰システムに潜入を図る新たな神格の出現
- SNSやメディアを通じて拡散する現代のソベク崇拝ブーム
- 瞑想アプリが世界中でダウンロード急増、利用者の異常な痩せが報告
- 信者が増加するにつれて原因不明の体調不良が多発する
- 有名人が「ソベクで人生が変わった」と証言、メディアで特集番組が放送される
- 栄養状態正常なのに衰弱する症候群として保健当局が調査開始

ソベクとセベクはクトゥルフ神話では別の存在とされています。あくまでもセベクのふりをする狡猾なソベクとして登場させると、クトゥルフ神話らしくなりそうです!。
演出のヒント
1:偽装神格の演出
- 完璧な模倣:古代エジプト美術そのままの威厳ある姿で人間を欺く
- 信仰の搾取:祈りを捧げるたび信者の生命力が減る微細な変化
- 神格権威:ソベク神の名で命令すると人間が無条件に従う
2:生命力吸収の演出
- 段階的衰弱:信者が徐々に活力を失い老化していく
- 集団効果:大勢が同時に祈ると周囲の植物も枯れる環境への影響
3:狡猾さと知性の演出
- 長期戦略:数千年スケールでの人類操作計画の一端を見せる
- 適応能力:現代技術や社会システムを瞬時に理解し利用
- 心理操作:個人の欲望や弱点を見抜いて巧妙に誘導



セベクとの差別化は必要な気がします。それならやはり狡猾さの描写っ。古代エジプトにはない、現代の技術にも適応している様子を見せると面白そうです。
イラスト・ファンアート・素材紹介
意外と描かれていないのですよ…。
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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ロイガー族 同族または変異個体説 | バースト 同僚 |
【関連魔導書】
- 『妖蛆の秘密』(ルドウィク・プリン著)
登場作品
- 「セベクの秘密」