
【完全版】シャッド=メル│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Shudde-M'ell
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★☆☆☆
本報告は、クトーニアンの神とされ、地球の核心部に棲む、途方もない大きさを持つ異形の存在についての調査記録である。
形態的特徴として、体長1.6km以上の巨大なクトーニアン型の姿を持ち、多数の目を備える。ゴムのような肉体を持ち、厚い皮膚からは毒性および腐食性の化学物質を分泌し、岩石を容易に溶かす酸性の煙を放出する。大いなるクトゥルフとその星の落とし子の関係に似た、クトーニアン種における特異個体とされる。
『グハーン断章』によれば、かつて旧き神による封印のため、伝説の都市グハーン(アフリカに存在したとされる)に眷属と共に幽閉されていた。街路には旧き印による結界が張られ、魔術的拘束が維持されていたが、数千年の間に徐々に弱体化し、ついには効力を失った。解放の時期については、10世紀頃とする説と哺乳類出現以前とする説が存在する。
現在は地球の核に棲息しているとされ、地表への出現は稀少である。1906年のサンフランシスコ地震、1751年のコンセプシオン地震、869年の貞観地震などの重大な地震現象は、この存在の移動による副次的影響か意図的な行動の結果である可能性が指摘されている。配下のクトーニアンは惑星のマグマを利用して地下道や巣を作り、時に地表近くにも現れる。
歴史的に広範な崇拝の対象となっており、ハイボリア時代にはスティギアの神官がシャダム=エルの名で崇拝し、後のエジプトではヘビ神アポピスの神話の起源となったとされる。イギリスの先史時代の巨石文化の担い手や、北米太平洋岸の特に退廃的な呪術師による崇拝も記録されている。現代では、モンゴルのジドハウアスと、グハーン近郊の一部アフリカ部族のみが崇拝を続けているとされる。
【住処】
- 現在:地球の核心部
- 過去:グハーン(伝説の都市、アフリカ)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
450 | 400 | 600 | 75 |
POW | HP | MP | DB |
175 | 100 | 35 | +12D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
13 | 8/穴掘り10 | 1D10/1D100 |
行動
- 攻撃回数:1D4+4(近接戦闘)/1D4回(つかむ)/1回(強打する)
- 近接戦闘:100%/6D6
- つかむ:100% …対象に巻き付き、次のラウンドに握りつぶして6D6のダメージを与える。もしくは体液を食らい3D10のCONを永久的に奪う。抜け出すにはSTRかDEXでクリティカル成功する必要がある。
- 強打する:80%/12D6 …範囲12m以内の対象を押しつぶし12D6のダメージを与える。避けるには回避、跳躍もしくはDEXでクリティカル成功する必要がある。
装甲
- 8ポイント
- MPを1消費すればHPを5回復できる。
- 大量の水は、シュド=メルに1D6のダメージを与える。
- 普通の武器はダメージ後に壊れる。
- HPが0になれば溶け、辺りを燃やす。その後1000年後に復活する。
魔術
- 呪文:「人間をおびき寄せる」・「砂嵐を起こす」・「クトーニアンとの接触」・「シュド・メルの赤い印」・その他キーパーの任意。
能力
- 地震を起こす:魔力によって地震を発生させる。
- 腐食と毒性:人間に影響のある有毒なガスを放ち、また衣服や装飾品も腐る。
- 地獄の穴:地下から触手を伸ばして地上に穴を作る。
- 遠隔操作:人間や他の種族をテレパシーを飛ばして支配する。
恩恵
- なし。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「地を穿つ魔」では
- 古代都市グ=ハーンに幽閉されていたが何らかの理由で解放され、クトゥルフの先兵として地上への侵攻作戦を開始した
- 探検隊を全滅させるが、一人が生還してシュド=メルの卵を持ち帰った
- 卵を取り返すためエイマリー卿を地底に拉致し、彼の脳を汚穢の器に移植して30年以上にわたり知識を搾取し続けた
- テレパシーで卵の位置を追跡する
- ウィルマース財団との組織戦で複数の個体が水攻めや爆弾攻撃により討伐され、財団員への精神侵犯と暗殺戦術で反撃を開始した

邪神陣営と人間陣営で戦うのはタイタス・クロウの醍醐味。シュド=メルもやってることがちゃんと残酷で、脳だけを生かすという拷問は衝撃の一面です。
シナリオ導入例
1.:地震予知調査型
- 地震研究所が観測する異常な地殻変動と通常の地震学では説明できない震源パターン
- サンフランシスコ、コンセプシオン、東北地方で共通する「地震前の異臭報告」
- 震源地付近で発見される謎の巨大な穴と溶解した岩盤の痕跡
2:考古学発掘危機型
- アフリカで発見された古代都市グハーン遺跡の発掘調査
- 遺跡内の「旧き印」が刻まれた石版と封印装置の劣化
- 発掘チームが原因不明の「皮膚溶解症」と集団幻覚を発症

シュド=メルは地中にいるので地震は容易く起こせます。探索者たちは世界を守るために封印をするみたいな動機になりそうです。
演出のヒント
1:腐食性分泌物の演出
- 化学的恐怖:鉄骨がジュージューと音を立てて溶ける、コンクリートが泡立ち消失
- 生体への影響:皮膚に触れると瞬時に水ぶくれ、吸い込むと肺が焼けるような痛み
- 環境汚染:草木が一瞬で枯れ果てる
2:地震連動の演出
- 前兆現象:地面から立ち上る硫黄の臭い、動物たちの異常な逃避行動
- 震動パターン:規則正しいリズムの地震
- 二次災害:地震後の謎の陥没穴地下
3:地下世界の演出
- 深度感覚:地下1万メートルの暗黒世界、圧力で耳が痛くなる深さ
- マグマ環境:溶岩が川のように流れる通路
- クトーニアンの巣:岩盤を溶かして作られた巨大な空洞



暑い環境を表現するのに空気が揺れているとか、肺が痛くなるとかを描写すると臨場感がでそうです。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:GeneralVyse様「Shudde M’ell in action by GeneralVyse on DeviantArt」


- 素材:烏の詐偽小屋様「クトゥルフ神話TRPG 神話的生物立ち絵玖 SPLL:E192820 – 烏の詐偽小屋 – BOOTH」
セット価格:500円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
【関連魔導書】
- 『グハーン断章』(サー・エイマリー・ウェンディ=スミス著、1931年)
登場作品
- 『地を穿つ魔』
- 「盗まれた眼」
- 『タイタス・クロウの帰還』
- 「The Worm of Urakhu」
- 「Cement Surroundings」
- 「狂気の地底回廊」