
【完全版】クトゥルフ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Cthulhu
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★★★
本報告は、太平洋の海底で「死んでいるが夢見る」状態にあり、その目覚めが世界の終焉を告げるとされる存在についての調査記録である。
形態的特徴として、巨大なコウモリのような翼とかぎ爪を持ち、タコに似た頭部には無数の触腕が生えている。体表はゴム質で粘液に覆われ、二足歩行する。
その起源は第23星雲のヴールの世界に遡り、その後ゾスの緑の二重星に移住。そこでイダ=ヤーとの交配により、ガタノソア、ユトグタ、ゾス=オムモグを生み出した。3億5000万年前、星の落とし子と共に土星を経由して地球に到来。当初は古のものとの戦争を経験したが、後に和解し、太平洋に都市ルルイエを建設、複数の拠点を築いた。しかし5000万年後、旧き神々による大異変によってルルイエは海底に沈み、クトゥルフは封印された。
現在、死の都市ルルイエで夢を見続けているとされ、その夢は人類に強い影響を及ぼす。その影響は多様で、芸術創造への衝動、一時的な狂気、見境のない暴力行為、完全な発狂など、様々な形で現れる。理解者の中には、社会の中で同類を探し、独自のカルトを形成する者もいる。
歴史的影響として、紀元前2億5100万年の大量絶滅(地球上の生命の96%が死滅)や、536年の世界的大寒波(中東とアジアを謎の霧が覆い、数千人が死亡)との関連が指摘されている。1919年には神秘論者メイ夫人が1925年の「海からの狂気」を予言し、その直後に失踪するという事件も記録されている。
『ネクロノミコン』によれば、クトゥルフは「大司祭」として重要な役割を担う。その覚醒は宇宙の流れに波紋を生じさせ、他のオールド・ワンたちを束縛する封印をも破壊するとされる。これは単なる伝承ではなく、一時的な目覚めの際にも地球規模での異変が記録されており、完全な覚醒は宇宙規模の変容をもたらすと考えられている。
崇拝の実態として、カルトはハイチ、ルイジアナ、南太平洋、メキシコ、アラビア、シベリア、クンヤン、グリーンランドと広範に分布している。不死の神官は中国の山脈に住むとされ、カルトの中心はアラビアのアイレム近郊にあるとされる。ハワイでは「カナ=ロア」として地下世界に囚われた邪神の伝説が残り、ハロウィーンは重要な祭日とされている。
論争点として、クトゥルフの本質に関する様々な解釈がある。ヨグ=ソトースの大神官説、ニャルラトテップの顕現説(『サセックス草稿』)、水の精霊説など、多くの説が提起されているが、確証は得られていない。ハスターとの敵対関係も広く知られているが、その理由は不明である。
【住処】
- 現在:太平洋の海底都市ルルイエ(死のような昏睡状態)
- 過去:第23星雲のヴールの世界、ゾスの緑の二重星、土星(経由地)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
700 | 600 | 1000 | 100 |
POW | HP | MP | DB |
250 | 160 | 50 | +20D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
21 | 16/飛行12 | 1D10/1D100 |
行動
- 攻撃回数:2回(近接戦闘)/1回(すくい取る、踏みつける)
- 近接戦闘:100%/10D6
- すくい取る:1D3人を対象にかぎ爪ですくい取る。回避に失敗した対象はそのまま死亡する。
- 踏みつける:100m範囲にいて回避に失敗したものは、踏みつけられ20D6のダメージを受ける。
装甲
- 21ポイント
- 毎ラウンドHPが6回復する。
- HPが0になればはじけて緑色の雲になる。その後1D10時間後に復活する。
魔術
- 呪文:旧き存在に関わる呪文。
能力
- 体の変形:クトゥルフは一定の体を持っていない
- クトゥルフの呼び声:クトゥルフも夢を見ていて、その夢は人間に影響を与える
- 感覚をねじ曲げる:クトゥルフとそれに関するものに触れたとき、五感が正常な判断を失う
恩恵
- 触手を生やす:頭や体から触手が生える
- 夢を読む:人の夢を覗けて、意味を理解できる
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「クトゥルーの呼び声」では
- クトゥルフの影響を受けた芸術家がクトゥルフを模した作品を作る
- 警察はルイジアナの沼地でクトゥルフのカルト集団を見つけ拘束する
- 共通するのはクトゥルフに捧ぐ「くとぅるー・ふたぐん」という言葉
- カルト教団が捕まった同日に、一隻の船が帰還した報道がある
- その船の唯一の生還者の話によると、地図にない島を見つけ上陸していた
- 時空が歪んだように見える謎の島で、大きな扉を見つける
- その扉の中からクトゥルフが這い出てくる
- 船員が船まで逃げ、船ごとクトゥルフに突っ込み撃退する。
- 生存したものの発狂したものもいた

復活直後だったためか、本来の力が出せずに船のダイレクトアタックで沈殿したせいで弱い邪神と思われてる不遇っぷりです。
シナリオ導入例
1:ルルイエ浮上予兆型
- 太平洋各地で海底地震が頻発し、謎の海底隆起を観測
- 海洋調査船が古代都市の一部とみられる構造物を発見
- 世界中で同じ悪夢を見る人々が激増し、精神病院が満杯状態
- 天体観測で宇宙規模の異常現象を検出し、クトゥルフの封印の弱体化を確認
- 1925年の「海からの狂気」予言に類似した新たな予言が出現
- 他の邪神たちの封印にも異常が発生し始める

大祭司のクトゥルフが復活すると、連鎖して他の邪神も復活します。そのため、「復活させない」というのが目的になるでしょう。
演出のヒント
1:巨大な異形身体の圧倒的演出
- 翼の巨大さ:広げると都市を覆うほどの翼による絶望的なスケール感
- 触腕の無数性:頭部から生える無数の触手による認知的混乱と嫌悪感
- 粘液の不快感:ゴム質の体表を覆う粘液による生理的な気持ち悪さ
- 二足歩行の異様さ:巨体でありながら直立する不自然さによる恐怖
2:夢による精神侵食の段階演出
- 創作衝動の異常化:芸術的才能の覚醒と共に現れる狂気的な作品制作
- 一時的狂気の発作:日常生活で突然起こる短時間の精神錯乱状態
- 暴力衝動の増大:理性を失った無差別的な攻撃行動への誘導
- 完全発狂への進行:最終段階としての不可逆的な精神崩壊
3:ルルイエ浮上の宇宙的恐怖演出
- 海底からの隆起:太平洋の海底が盛り上がる地質学的異常現象
- 死の都市の威容:人類の建築概念を超越した非ユークリッド的構造
- 時空の歪み:ルルイエ周辺での物理法則の破綻と現実認識の混乱
- 世界規模の異変:浮上と共に起こる地球全体の環境変化
4:歴史的大災害との関連演出
- 大量絶滅の再来:過去の生物大絶滅の再現可能性への不安
- 気候変動の超常性:536年の大寒波のような異常気象の再発
- 文明崩壊の前兆:人類社会の根本的破綻を示す兆候の出現
- 時間軸の壮大さ:数億年スパンでの影響による人類の矮小感



封印されている状態でも人間には十分な強さを持っています。別の作品ではアーカムを半壊させているので、「厄災」がある意味クトゥルフの本質としての演出になるかもしれません。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:JJcanvas様「The Great Old One by JJcanvas on DeviantArt」


- 素材:こぞう屋様「【TRPG・CoC用素材】クトゥルフ【神話生物】SPLL:E192847 – こぞう屋 – BOOTH」
単品価格:500円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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ヨグ=ソトース 大神官説 | カソーグタ 兄妹・配偶者 | ヌタルフとヌトゥーサ 子 |
【関連魔導書】
- 『ネクロノミコン』
- 『サセックス草稿』
- 『アルソフォカスの暗黒の大巻』
- 『狂える修道士クリタナスの懺悔』
- 『古代ルーンの伝説』
- 『ポナペ教典』
- 『無名祭祀書』
- 『ルルイエ異本』