本作はは、『Esoteric Order of Dagon APA』で発表された作品である。
その後、この短編は複数の出版物に再録されていて、1984年10月発行の『Etchings & Odysseys』第5号、さらに、1996年に出版された『The New Lovecraft Circle』にも収録されている。
最新の再録は2008年11月に刊行された『Blasphemies & Revelations』である。
- スロウ医師…語り手
- エルクハート…芸術家
- バーロウ…友人
- プレウス…宗教学、学者
- 聖ジョシュア
- マーティン・ラダマンサス博士
- フィニアス・ウィットモア医師
医師スロウの手元に届いた小瓶。その中身「メスカリン」は、人間の意識を未知の領域へと誘う謎めいた薬物だった。科学者としての好奇心に駆られ、スロウは自ら被験者となる決意を固める。
薬の効果が現れ始めると、スロウの意識は現実から乖離し、形容しがたい異世界へと没入していく。そこで彼が目にしたのは、昆虫のような姿をした二体の「何か」。驚くべきことに、それらの存在もまたスロウを認識していた。
彼らの姿は明らかに昆虫。しかし、その眼差しには高度な知性が宿り、特に医学分野での卓越した知識を感じ取ることができた。
現実に戻ったスロウは、この衝撃的な体験を同僚のウィットモア医師に打ち明ける。しかし、健康診断で思いもよらぬ事実が明らかになる。スロウの血液型が、O型からA型に変化していたのだ。
この驚くべき事実に、スロウは一瞬戸惑いを見せるも、すぐに自らに言い聞かせる。「きっと、これまでO型だと勘違いしていただけなのだろう」と。
しかし、この体験は彼の好奇心をさらに掻き立てた。メスカリンの可能性を追求するため、スロウは七人の仲間を集めた秘密の会合を企画する。
この薬物実験が彼らにもたらすものとは何か。彼らは、人間の意識の果てに潜む、想像を絶する真実に直面することになる―。