
【完全版】炎の吸血鬼│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Fire Vampires
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★☆☆☆☆☆☆☆
本資料は炎の吸血鬼と呼ばれる存在についての調査報告である。
形態的特徴として、その姿は知性を持つガスやプラズマのように見え、無数の小さな炎または赤い稲妻のような閃光として現れる。宇宙空間や惑星の大気中でも自由に移動できるが、水中を移動することはできず、水は彼らを殺すことができる。
現在、みなみのうお座にあるフォーマルハウトあるいはその星系に生息しているとされ、単独で地球に現れることは稀である。通常は召喚されて特定の任務を遂行する場合が多く、正しく従属させた場合に限り地球での活動が可能となる。
特筆すべきは、彼らの二種類の異なる記録である。一つ目の記録ではクトゥグァに奉仕する存在として知られ、クトゥグァが召喚されるときにはその護衛として多数が地球に来訪する。召喚されると、彼らはいかなる燃焼性の物質をも発火させようとする。二つ目の記録では、彼らは支配者フサッグァと共に小惑星クティンガに棲み、エネルギーを引き出せる知的生命体を探索しているとされる。
彼らの攻撃方法も特異である。真紅の稲妻のひらめきで始まり、犠牲者は自然発生的な人間燃焼が起きたかのように破壊される。この攻撃は彼らに生存に必要なエネルギーを提供するだけでなく、犠牲者の記憶をすべて奪取する能力を持つ。さらに、彼らは集団記憶を持ち、一匹が得た犠牲者の知識はすべての炎の精が共有できるとされる。この情報を利用してフサッグァとその手先は、世界を征服しエネルギー源とするための戦略を立てているという。
なお、炎の吸血鬼という名称について補足すると、元々はワンドレイの作品においてフサッグァの手下として登場したが、”クトゥルフ神話TRPG”ではダーレスの「闇に棲みつくもの」で言及されたクトゥグァの従者という設定が採用されている。
【住処】
- みなみのうお座のフォーマルハウトまたはその星系
- 小惑星クティンガ(フサッグァと共に)
- 宇宙空間
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
不明 | 2D6*5 | 1 | (3D6+6)*5 |
POW | INT | HP | MP |
(2D6+6)*5 | 3D6*5 | 3 | 13 |
DB | ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
不明 | -2 | 飛行11 | 0/1D6 |
行動
- 攻撃回数:1回
- 近接戦闘:85%/2D6
- 個体によるダメージ:対象に熱で攻撃し2D6のダメージを与える。対象はCONとPOWの対抗ロールを行い、CONの対抗に成功すればダメージは半分になる。POWの対抗に失敗すると、MPを1D10吸い取られる。成功すると、炎の吸血鬼はMPを1失う。さらに対象は幸運ロールを行い、失敗すると衣服に火が付く。
- 群れによるダメージ:群れによる攻撃は6D6のダメージを与える。CON対抗と幸運ロールは個体と同じである。POWによる対抗ロールは発生しない。
- 回避:40%
装甲
- 普通の武器はダメージを与えない。
- 水2リットルにつき、1のダメージを与える。(バケツ1杯で1D3のダメージ)
- 手に持つ消火器の場合1D6のダメージを与える。
魔術
- 呪文:20%の確率で、1D3種類の呪文を知っている。
技能
- なし。
能力
- 炎の群れ:時折、特に大気圏に入る際に集合して大きな炎の球を形成し、その後個々に分散する能力。このような集合状態では建物を攻撃し、ガラスを爆発させ、同時に大規模な火災を引き起こすことが可能。稀に単一の存在として攻撃することもある。
- 催眠性の踊り:複数の炎の吸血鬼による狂乱的な踊りが人間や特定の動物に催眠効果を持つ。この影響下にある者は目前の火の危険に気づかなくなり、動けない状態で炎を凝視し続ける。トランス状態の犠牲者は自分に火がついても気づかず、覚醒しない限り焼死する恐れがある。冷たい水をかけることでこの状態から即座に回復させることが可能。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「闇に棲みつくもの」では
- リック湖で行方をくらませた教授
- 教授を探しに向かう主人公一行
- ニャルラトテップの策略にハマってしまい、生前の教授のヒントを頼りにする
- クトゥグアの招来を試み、ニャルラトテップの撃退に成功する

クトゥグアは出ますが、炎の吸血鬼がそこにいたのかは不明です。
しかし設定上は一緒についているため、明るすぎて見えなかっただけなのかもっ。
シナリオ導入例
1:集団記憶ネットワーク型
- 国際的なハッカー集団が、世界中のデータベースに同時侵入する不可能犯罪を実行する
- 侵入手法に物理的な痕跡がなく、電子機器の焼損のみが現場に残される
- 被害を受けたサーバー管理者が、記憶喪失と軽度の火傷を負う共通症状を示す
- 炎の吸血鬼が人間の記憶を直接ハッキングしていて、ハッカー集団の正体が炎の吸血鬼だと判明する
- 彼らの目的はクトゥグアの精神治療を模索するためだった
2:クトゥグァ召喚護衛型
- カルティストが古代遺跡で、クトゥグァの召喚儀式を計画していた
- 儀式の成功と同時に無数の小さな炎が宇宙から飛来し、遺跡周辺を包囲する
- 炎の吸血鬼たちがクトゥグァの護衛として、辺りを次々と発火させ始める
- 周辺地域で原因不明の自然発火現象が多発し、消防や警察が出動する

クトゥグアは発狂している邪神です。従者らしく主人を治療しようとするのちょっとエモい気がしました。
通常のクリーチャーとして登場させるならクトゥグアに限らず、フサッグァを黒幕にしても良さそうっ。
演出のヒント
1:水が弱点の演出
- 炎の存在にとって水が天敵である
- スプリンクラーや消火活動による形勢逆転
- 雨天や水辺での圧倒的な不利という環境的制約
2:自然発火攻撃の演出
- 真紅の稲妻による、瞬間的で劇的な攻撃
- 犠牲者が内側から燃え上がる自然発火現象
- 死因特定が困難な完全犯罪的な殺害手段
3:記憶吸収の恐怖演出
- エネルギーと共に全記憶を奪われる完全な人格破壊
- 知識や経験が敵に利用される情報漏洩への恐怖



火は生物が本能的に恐れるものです。
だからこそ取り扱いに気をつけているのに、急に謎の自然発火を起こして、状況を混乱させるといいかもっ。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- 素材:🌱まめさんの店🌱様「炎の精/炎の吸血鬼/神話生物/差分二枚SPLL:E194578 – 🌱まめさんの店🌱 – BOOTH」
単品価格:300円
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