【読了ガイド】『The New Lovecraft Circle』│収録作品・購入方法まで紹介
目次
はじめに
本書は、ラムジー・キャンベル編集によるクトゥルフ神話作品集である。
古い世代のラヴクラフト作家と、新世代の愛好家が一堂に会した作品集となっている。
収録作品は27編で、ロバート・M・プライスによる序文が付いている。特に「Saucers from Yaddith」は本書籍のみの収録となっている貴重な作品である。
収録作品リスト
- “Cover Page Title Page Dedication Preface” (Ramsey Campbell)
- “Introduction” (Robert M. Price)
- “The Plain of Sound” (Ramsey Campbell)
- 1958年夏、大学生の「私」とフランク・ナトール、トニー・ロールズの三人はセヴァンフォードの居酒屋を目指すが、運悪く入ることができなかった。
行き場を失った3人は歩き回り、新聞販売店で帰り道を尋ねる。
店主は「この道しか通ってはならない。道行く人に声をかけてはならない」と奇妙な警告を残した。
道に迷った三人は地面を掘るような大きな音を聞き、一軒の小屋を発見する。
中に入ると埃の積もった床には足跡がなく、魔導書が並ぶ本棚と1930年12月8日で止まった日記があった。
奥の部屋には大きなスクリーンと異様な装置があり、触れると不協和音が響く。
三十年前から時が止まった小屋と消えた教授の謎が大学生たちを取り囲む。
- 1958年夏、大学生の「私」とフランク・ナトール、トニー・ロールズの三人はセヴァンフォードの居酒屋を目指すが、運悪く入ることができなかった。
- “The Stone on the Island” (Ramsey Campbell)
- “The Statement of One John Gibson” (Brian Lumley)
- “Demoniacal” (David Sutton)
- “The Kiss of Bugg-Shash” (Brian Lumley)
- 好奇心に駆られたレイ・ナットールとアラン・バートの二人は、ある夜禁断の儀式に手を染め、恐るべき邪神バグ=シャースを召喚してしまう。
しかし生贄を用意していなかった代償として、バグ=シャースは二人に100年に渡る苦しみを宣告する。
絶望の淵に立たされた彼らは、最後の望みをオカルティストとして名高いミルライトに託す。
ミルライトは「第三サスラッタ」という対抗呪文を身につけ二人の元へ急ぐが、邪神との対決は誰もが想像し得なかった結末へ向かっていく。
レイとアランは果たして邪神の呪いから逃れることができるのか。
- 好奇心に駆られたレイ・ナットールとアラン・バートの二人は、ある夜禁断の儀式に手を染め、恐るべき邪神バグ=シャースを召喚してしまう。
- “The Slitherer from the Slime” (H. P. Lowcraft)
- “The Doom of Yakthoob” (Lin Carter)
- “The Fishers from Outside” (Lin Carter)
- 考古学者メイヒュー教授の20年に及ぶ研究が実を結ぼうとしていた。
彼が追い求めてきたのは、太古の昔に地球を植民地化し、ウガンダ中央部に巨石の前哨基地を築いた「外界の漁師」と呼ばれる異星の生物だった。
禁断の書『ネクロノミコン』から、この存在が古の神グロス・ゴルカの使徒であることを突き止める。
1946年、助手のスローンと共にジンバブエで、怪物めいた鳥の偶像に混じって十二面体の「黒い石」を発見する。
刻文を解読すると、それは「外界の漁師」ことシャンタクを召喚する儀式の手順だった。
- 考古学者メイヒュー教授の20年に及ぶ研究が実を結ぼうとしていた。
- “The Keeper of the Flame” (Gary Myers)
- “Dead Giveaway” (J. Vernon Shea)
- “Those Who Wait” (James Wade)
- “The Keeper of Dark Point” (John Glasby)
- “The Black Mirror” (John Glasby)
- “I’ve Come to Talk with You Again” (Karl Edward Wagner)
- “The Howler in the Dark” (Richard L. Tierney)
- “The Horror on the Beach” (Alan Dean Foster)
- “The Whisperers” (Richard A. Lupoff)
- “Lights! Camera! Shub-Niggurath!” (Richard A. Lupoff)
- “Saucers from Yaddith” (Robert M. Price)
- 医師スロウの手元に届いた小瓶に入った「メスカリン」は、人間の意識を未知の領域へ誘う謎めいた薬物だった。
科学者としての好奇心に駆られ、スロウは自ら被験者となる決意を固める。
薬の効果が現れると意識は現実から乖離し、異世界で昆虫のような姿をした二体の「何か」を目撃する。彼らの眼差しには高度な知性が宿り、特に医学分野での卓越した知識を感じ取れた。
現実に戻ったスロウが同僚に体験を打ち明けると、健康診断でスロウの血液型がO型からA型に変化していることが判明する。
この体験に刺激されたスロウは、メスカリンの可能性を追求するため七人の仲間を集めた秘密の会合を企画する。
- 医師スロウの手元に届いた小瓶に入った「メスカリン」は、人間の意識を未知の領域へ誘う謎めいた薬物だった。
- “Vastarien” (Thomas Ligotti)
- “The Madness out of Space” (Peter H. Cannon)
- “Aliah Warden” (Roger Johnson)
- “The Last Supper ” (Donald R. Burleson)
- “The Church at Garlock’s Bend” (David Kaufman)
- “The Spheres Beyond Sound” (Threnody) (Mark Rainey)
- Lovecraftian Horror from Del Rey Books Copyright
文庫版仕様の詳細
出版社:Del Rey
発売日:2004/3/30
ページ数:480ページ
価格:紙版:2359円(中古で価格変動有)/電子版:787円
購入ガイド
読者レビューまとめ ※翻訳によって、意図しない表現になっている可能性があります。
良い点
- 古い世代と新世代のラヴクラフト作家が混在
- 旧支配者と様々な音響世界の結びつきを扱った、注目すべき作品群が収録
- ハイライト作品が豊富 「The Church at Garlock’s Bend」は、既知の内容ながら優れた雰囲気を持つ
気になった点
- 新しいアプローチが古いものより優れているかは好みの問題
- 全体的に既知の要素の組み合わせという印象が強い
- マイナーな作品が多く、突出した名作は限られている
こんな人におすすめ!
- ラヴクラフト信奉者で理想的な時間つぶしを求める人
- 古い世代と新世代の神話作家の作品を比較したい人
- パロディ要素も含めて幅広く神話作品を楽しみたい人
まとめ
本書は、世代を超えたラヴクラフト作家たちによる多彩な神話作品集である。
革新的な傑作というよりは、堅実で雰囲気重視の作品群。




