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【読了ガイド】『The Disciples of Cthulhu』│収録作品・購入方法まで紹介

【読了ガイド】『The Disciples of Cthulhu』│収録作品・購入方法まで紹介

本書は、1995年ケイオシアム版として刊行され、エドワード・P・バーグランドが改訂版と初版の両方の序文を執筆し、ロバート・ブロックが序論を担当している。

収録作品は「The Fairground Horror」、「The Silence of Erika Zann」、「All-Eye」、「The Tugging」、「Where Yidhra Walks」、「Glimpses」、「Dope War of the Black Tong」、「Darkness, My Name Is」、「The Terror from the Depths」の9編となっている。シアエガが登場する作品を唯一読むことができる貴重な作品集である。

  • “Preface to the Revised Edition” (Edward P.Berglund)
  • “Preface to the Original Edition”  (Edward P.Berglund)
  • “Introduction”  (Robert Block)
  • “The Fairground Horror”  (Brian Lumley)
  • “The Silence of Erika Zann”  (James Wade)
  • “All-Eye”  (Bob van Laerboven)
  • “The Tugging”  (Ramsey Campbell)
  • Where Yidhra Walks”  (Walter C.Debill,Jr)
    • テキサスの広大な平原を横断中のコバックスは、従姉妹を訪ねる途上でハリケーンによる洪水により小さな町ミランドに足止めされる。
      閉鎖的でよそ者を嫌う町で宿も見つからず途方に暮れるが、同じく外から来たクレイマーと出会い厚意で宿を提供してもらう。
      日が経つにつれ町の異様な雰囲気を感じ始め、住民たちの不自然な態度、夜な夜な聞こえる奇妙な唱和、そしてひそひそと囁かれる「イドラ」という名前に直感が反応する。
      クレイマーの助けを借りて調査を進めると、イドラは大地の母なる神で町のほとんどの住民がこの存在を崇拝する秘密結社に加わっており、会員には特別な「贈り物」が与えられるが代償も伴うという真実が明らかになる。
  • “Glimpses”  (A.A.Attanasio)
  • “Dope War of the Black Tong”  (Robert M.Price)
  • Darkness,My Name Is”  (Eddy C.Bertin)
    • 霧深い山間の寒村フライハウス・ガルテンを訪れた作家ラモンは、創作の霊感を求めていたが想像を絶する恐怖の真実と遭遇する。
      よそ者を毛嫌いする村人たちの中で、唯一の味方となったフランス人ホテル経営者ジュリアンの協力を得て村の闇に分け入る。
      300年間続く奇妙な風習では満月の夜に必ず一人が姿を消し、住民たちはその夜の記憶を持たない。
      村のあちこりに点在する謎の石像「ヴァイエン」の断片が、恐るべき真実へ繋がっていく。
      牧師から村で信仰される得体の知れない存在「シアエガ」と、満月の夜の不気味な儀式について聞かされる。
      真相に近づくにつれ奇怪な出来事が起こり始め、ラモンの運命はもはや後戻りできない地点まで来ていた。
  • “The Terror from the Depths”  (Fritz Leiber)

出版社:Chaosium

発売日:1996/2/1

ページ数:258ページ

価格:紙版:13092円(中古で価格変動有)

良い点

  • ラヴクラフト的ホラーが生きており、全体的な内容がかなり良い
  • 設定、時代背景、ムードが幅広く変化に富んでいる
  • ジェームス・ウェイドの「The Silence of Erika Zann」が宝石のような傑作
  • ラムジー・キャンベルの「The Tugging」はフォン・トリアーの映画「メランコリア」を思い起こさせる優れた作品
  • フリッツ・ライバーの「The Terror from the Depths」も秀逸な作品

気になった点

  • 内容が混在しており、すべての作品が同じレベルではない

こんな人におすすめ

  • ラヴクラフト的ホラーの現代的継承に興味がある人
  • 英語でクトゥルフ神話作品を読みたい人
  • ラムジー・キャンベルやフリッツ・ライバーの作品に興味がある人
  • シアエガという神話存在について知りたい人
  • 様々な設定や時代背景の神話作品を楽しみたい人

本書は、現代クトゥルフ神話作家たちによる意欲的なアンソロジーである。

作品の質にばらつきはあるものの、ウェイド、キャンベル、ライバーらの傑作により、ラヴクラフト的ホラーの現代的な展開と継承を示す価値ある一冊となっている。