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アロンゾ・タイパーの日記

アロンゾ・タイパーの日記

The Dairy of Alonzo Typer

クト1 新訳2 ハワード・フィリップ・ラヴクラフト
概要
登場人物
あらすじ

本作は8,260語の短編小説で、1935年10月、ウィリアム・ラムレイのために代作した。初出は1938年WTの2月号。単行本初収録はBWSで、校訂版がHMに収録されている。

この作品は、ラムレイの草稿の中にある「禁ぜられしことどもの書」(後に改題)や「七つの失われた恐怖の印」、神秘の都イアン=ホーなどを基にし、粗筋に一貫性を持たせた。しかし結末はラブクラフト自身によるものである。

  • アロンゾ・ハスブルック・タイパー
  • ヴァン・デル・ヘイル
  • チャールズ・A・シールズとオスカー・S・シールズ…屋敷のオーナー
  • ジョン・イーグル
  • ダーク・ヴァン・デル・ヘイル妻…セイラム出身、アドバン・コーリイの娘
  • ジョリス…ダークの末娘、蛇人間の容姿の特徴をもつ
  • 豚人間…子孫の一人だが詳細は不明
  • トリンティエ・ヴァン・デル・ヘイル・スレイト
  • クラース・ヴァン・デル・ヘイル…日記を残していた人
  • トリンチェ、エイドリアン・スレイトの妻

【舞台】

  • 1908年〜
  • 1760年〜 ヴァン・デル・ヘイルの屋敷の歴史が始まる

1908年、春の気配が漂う4月17日。オカルト学者アロンソ・タイパーは、未知なる知識への渇望に駆られ、コラズィン村の古びた屋敷に足を踏み入れる。かつてヴァン・デル・ハイル家が住んでいたこの屋敷には、「古のもの」が眠っているという。

迫りくるヴァルプルギスの夜。その日までに全てを解き明かさねばならない。タイパーは手探りで屋敷の謎に挑む。地下室で見つけた錠のかかった鉄扉。その向こうから聞こえる不気味な音。そして、一瞬だけ見えた異形の前脚。これらの謎が、彼の理性を少しずつ蝕んでいく。

屋敷の至る所に潜む手がかり。家系図に記された謎の入婿「アドリアン・スレート」の名。生きた人間ならぬ存在の気配。大量の魔道書。そして、クラエス老の衝撃的な手記。全てが、神秘都市イアン=ホーへと繋がっていた。

時が経つにつれ、幻覚は鮮明さを増す。環状列石の丘から響く怪音。タイパーの探求心は、恐怖心を凌駕していく。

ついに彼は、「知識を与えてくれるもの」を召喚する呪文を発見する。だが、その呪文には致命的な欠陥があった。召喚はできても、支配はできないのだ。しかし、もはや引き返すことはできない。

地下の穴倉で見つけた鍵。そこに記されていたクラエスの言葉が、全ての謎を解く鍵となる―。

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