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魔物の証明

魔物の証明

An Item of Supporting Evidence

ブライアン・ラムレイ
概要
登場人物
あらすじ

本作は1968年2月に書かれ、1970年「アーカム・コレクター」冬号に掲載された。

  • タイタス・クロウ
  • チャンドラーディヴィーズ
  • イェグ=ハ

古代ローマの辺境で起きた未知なる戦いの記録。ロリウス・ウルビクスの著書「国境の要塞」が語る、ローマ軍と地獄から召喚された魔物イェグ=ハの壮絶な戦闘。蛮族の手によって呼び出された恐るべき存在は、ローマの精鋭たちを次々と打ち砕く。しかし、恐怖に駆られた一兵卒の剣が、奇跡的にこの怪物を討ち取る。その後のウルビクスの謎めいた行動。彼が選りすぐりの部下たちと共に消えた原野の彼方には、何が待ち受けていたのか。

時は流れ、20世紀。突如として世界中の注目を集める考古学的大発見。480体もの惨殺されたローマ兵士の遺骸。この発見は、歴史の闇に埋もれた真実の一端を垣間見せる。

そして、タイタス・クロウによる『イェグ=ハの王国』の出版。ウルビクスの記録を基にしたこのクトゥルー神話歴史小説は、読者を魅了すると同時に、激しい論争の火種となる。

怪奇画家チャンドラー・デイヴィーズは、クロウの作品に疑問を呈する。彼の目には、この小説は歴史を歪める危険な作品に映る。魔物の実在を仄めかすクロウの筆致に、デイヴィーズは歴史への冒涜を感じ取るのだ。

真実を求めてクロウのブラウン館を訪れたデイヴィーズ。そこで繰り広げられる、歴史と神話、現実と空想を巡る熱い議論。クロウが提示する証拠の数々。ウルビクスの生々しい記録、大英博物館に眠る不可解な遺物。そして最後に、クロウが取り出した決定的な「何か」。

歴史書に記されなかった真実とは。 神話は単なる空想なのか、それとも―。

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