- ダーレス「サンドウィン館の怪」
- ダーレス&スコラー「潜伏するもの」
- ピーターセン&ウィリスほか “クトゥルフ神話TRPG”
- R.プライス「Dope War of the Black Tong」
【住処】
- スン(またはレン)高原の地下洞窟湖
- アロザル/アラオザルの地下都市
本報告は、結合過程にある異形の一対の存在、ツァールとロイガーについての調査記録である。
形態的特徴として、両者は密集した管状の触手で構成され、互いに絶え間なく押し合い、争い続けているような様相を呈する。ロイガーについては、緑色に輝く目と長い触手を持ち、「感覚をもって震えるおぞましい肉の山」とも形容される。両者は巨大な水域に棲息しており、人類が目にするのはその一部に過ぎないと推測される。
この二つの存在は元来別個の実体であったが、ある時点から結合を開始したとされる。この過程は極めて緩慢で、完了までに数千年を要する可能性が指摘されている。結合の性質については、相互の拘束状態なのか、あるいは捕食や寄生を巡る闘争状態なのかは不明である。両者は時に協調的な活動を示す一方で、信者たちに異なる言葉を伝えることもあるという。この過程の帰結として、一方による他方の吸収か、あるいは全く新たな生命体への変異が予測されており、いずれの場合も人類にとって重大な脅威となることが懸念されている。
起源については複数の説が存在する。アンタレスやベテルギウスといった恒星が発祥地として挙げられる一方、これらは単なる経由地点であり、真の出自はジュン=ダールと呼ばれる到達不能な次元であるとする説も存在する。また、ロイガーという名を持つクリーチャーの種族との関連性も議論されており、同系統説と偶然の音声的類似説が対立している。
現在の所在については、ミャンマーあるいはチベットのスン高原(一説ではレン高原)が有力視されている。特に、アロザル(またはアラオザル)と呼ばれる地下都市の巨大な洞窟湖に棲息するとされる。この情報源として、ジェデダイア・プリントンの著書『水晶と冒涜の幻視』(1889年)に記された幻視体験が挙げられる。
人類との関わりとして特筆すべきは、チョー=チョー人との関係である。この地域はチョー=チョー人の発祥地とされ、彼らはツァールとロイガーを含む複数のオールド・ワンへの崇拝を継続している。ツァールは適切な儀式の執行によりトゥルクまたは霊的な体を投影することが可能で、チョー=チョー人とのテレパシー的交信能力を持つとされる。
【相関】
- ツァールとロイガー(結合過程)
- チョー=チョー人(崇拝者)
- アロザル/アラオザルの住人(従者)
【能力】
- 衝動…300m以内にいる者で影響された場合、ツァールとロイガーに近づく衝動に駆られ、近づくとその身を神格に捧げる。
- 融合…ツァールとロイガーに触れると、触れている部分から神格と融合し始める。
- 精神の接触…テレパシーを送り、信者に指示を与える。
- しなやか…その体は非常に柔軟で、どんな隙間や穴だろうと通ることができる。
【恩恵】
- 結合…儀式を行うことで、2人の恩恵者を一つにし、精神がつながった状態になる。